居眠り好きな彼［ 紫 ］

# 今日こそは ページ2

「おはよー、雪音さん」

『…おはようございます、有栖くん

朝から挨拶できるなら 、

授業中も起きとけるんじゃないですか？』

朝、登校するとクラスには有栖くんと

男女それぞれ2人くらいがいつも居る。

有栖くんは、なにかの本をいつも

読んでいるが私が登校すると律儀に

挨拶を毎回してくれる。

「うわ、真面目やな 。

やからー 、僕は眠いからやなくて

暇やから寝てんねんて 。」

『どっちでもいいけど私に迷惑

かかるんで起きといて下さいよ。』

そういうと、本をぱたんと閉じて 、

人差し指を上に向けた。

「やってこの席暖房めっちゃ当たるやろ？

暖かくて気持ちええんやって。」

『理由になりませんからね？』

「雪音さん頭ええんやから、

授業聞かなくてもいいんちゃう？」

『 … 』

「あ、そっか。

理数系は苦手なんやっけ？

その教科だけは、いっつも僕のこと

構わず授業集中してるもんなぁ？ (笑)」

… ( いらっ )

『うるさいですよ 。』

私は、彼が持っていた本を垂直に

彼の頭に下ろした。

「痛 っ 。酷いわ …」

自身の頭を抱えて上目遣いでこちらを

見上げる彼。

『有栖くんこそ、国語とか苦戦してるって

先生から聞きましたけどー？』

不敵に笑ってみせる。

「なんや自分、僕に喧嘩でも

売るんか？」

ニコッと微笑んだ彼。

その裏には圧が滲み出ている。

『お互い様です』

ふん、とバックを片付けて私も読書を

始めた 。

有栖くんは、しばらく恨めしそうに

こちらを見ていたが、やがて自分の本へと

目線を戻していた。



















__________ 今日こそは絶対に



















“ 勉強／睡眠 を邪魔されたくない ！”



















私 ／ 僕 は、



本を読みながらそう思った 。









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またのお越しを。

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