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私は終礼が終わったと同時に教室を出て
同じ階のいちばん奥にある図書室に駆け込んだ。
今ある状況を整理して今後自分がどうしていくのか
それをまとめるためだった。
図書室にある本の中から「トラウマ」や「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」がテーマとなっている本を探した。
事件後、入院した先の精神科で言われた病名は「PTSD」。
強い精神的衝撃を受けたことによる精神異常、生活機能の障害をもたらすと言われているもの。
ページをめくり自分が今必要としている話題がないか
たくさんの本に目を通した。
「あった、、」
そこに書かれてあったのはトラウマ治療の詳細、
「持続エクスポージャー療法」通称 PE療法だった。
どう言う治療法なのか端的に言うと、
被害者が事件後生活の中で避けてきたことと向き合う事
私で言う「男性」と向き合うこと。
その本の中に例として挙げられていたのが
ナイフで刺された経験がある人はナイフを見るだけでも恐怖を感じる
治療の第1歩はまずナイフを見るところから始めて
その次に少し近づいて眺める
ナイフを触る…
と言うように進めるのだという。
そして徐々に恐怖を克服していく。
ただ、これを実践するには相当の覚悟と決心が必要だと
私が受けたトラウマと向き合うのはそう簡単なことでは無い。
自分に男性と普通に話せるようになる未来が、
普通に電車に乗って学校へ行く未来があるのなら
わたしはこれに少し賭けてみてもいいと思った。
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作者名：おはる | 作成日時：2023年5月24日 22時
