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「何って?別に何も?」
何時もの声色、何時もの笑顔で彼奴は答えた。
「あぁ、そう。じゃぁいいよ。」
素っ気なく、出来るだけ気にしてないように笑って私は見せた
あ、これじゃ彼奴と同じだな。なんて嘘に背徳感を覚えたのはこの時が初めてだったと思う。
そしてまた同じ毎日を繰り返して月日は過ぎて行く。
同じ話を繰り返して時間は無くなっていく。
「ねぇ」
「ん?」
「今日も行くの?」
「……嫌ならいいけど?」
「別に嫌じゃない」
「なんだよ、何か予定でもあんのかと思ったわ」
何時もの笑顔
「元ボッチに予定なんてあると思う?」
「ないな」
彼奴の笑顔に私は助けられている。
それを彼奴が知ることなんてこれからあるはずなんて無いけれど、私は彼奴から離れる気もないと、ひっそりと胸の内に決めていた。
冗談を言い合い笑える仲。
友達ってこんなもんなのかな。
そんな風に思っていた。
「ねぇ?」
「なに?」
「夢って見る?」
「何、突然」
「最近変な夢を見るんだよね」
「疲れてるんじゃないの?」
「かも。」
ブランコの揺らせばキィと音が鳴る。
橙色に焼けた空は私達を包み込む暖かい光。
この日々はきっとずっと続く。
二人、共にいるならば。
ずっと
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作者名:海が見たい | 作成日時:2017年5月7日 21時