乗っ取られて全てを失った不幸な審神者の話

13話 ページ15

引き続き 次郎太刀サイド

誰にやられたのは後回しで、痛々しい傷をまず、治さないとと思った

仕方なく、主を薬研の所へ行かせる

部屋の前に来た途端、何かに気付いたかのような顔をしてやっぱり、帰ろうなんて言い出した

次「何言ってんだい？！包帯だけでも貰いな！」

貴「い、いやそこまで傷、深くないから…」

次「その親指、爪がないじゃないか！痛いだろう？！」

貴「で、でも！」

ガラガラ

ドアが勝手に開いた

アタシや主が開けたんじゃない

薬研だ

薬「どうしたんだ？次郎太刀の旦那…と、お前か…」

主を見てお前か、なんて何言ってんだい！薬研

貴「ごめんね、部屋の前で騒いじゃって
行こ、次郎」

泣きそうな主を横目で見て、薬研を軽く睨んだ

薬研は怯むことなく、何もなかったかのようにドアを閉めた

何だい、あれ

今までどんな気持ちで主がアンタ達を育ててきたんだと思ってるんだい

部隊編成や内番を考えて、新入りにはいつもお守りを作っていた

徹夜した時だってあった

恩を仇で返すなんて

だからアタシは決めた

主はアタシが守るって

次郎太刀サイド 終

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