瞳の奥に映るもの【シリウス･ブラック】 (ページ40)

今日:3 hit、昨日:32 hit、合計:206,332 hit

・〇ページ40

中はコンクリート剥き出しの壁に暖炉の火がﾊﾟﾁﾊﾟﾁと音を立てているだけ

『全然違う部屋みたい』

ジェ｢もしかしてボルベールってここのこと知ってたの？｣

『？えぇ、もう数え切れないくらい来てるけど』

ピ｢だからたまに扉が現れない時があったんだ｣

ジェ｢でもどうやって知ったんだい？｣

ジェームズの問いにシリウスはバツが悪そうにそっぽをむく

ジェ｢……ﾊｧシリウス、君か｣

『ジェームズ達に教えてなかったの？』

シ｢そりゃ教えるわけないだろ……2人だけの秘密、だったし｣

頬を赤く染めてﾎﾞｿﾎﾞｿと喋るシリウスにジェームズは恨めしそうな顔で見つめる

ジェ｢僕だってリリーに教えてないって言うのに｣

『その話は後でいいわ。それよりさっきの続き、話して』

つい話が脱線しそうになった

ジェ｢あぁ、驚かないでくれよ？｣

・

『そ、…そんな……』

その事実はあまりにも衝撃的すぎて思考回路を停止させるには十分だった

ピ｢だ、だから僕達考えて、｣

シ｢人狼は人しか襲わねぇから、俺たちが動物になればあいつのそばにいてやることが出来るだろ？｣

『でも、考えが甘いんじゃないの。幾ら動物には襲って来ないって言っても絶対とは限らないわ』

ジェ｢分かってる。でもリーマスを見捨てるなんて選択肢は僕たちにはないんだよ｣

3人の真剣な眼差しに何も言い返せない

あんなに優しく好青年な彼が人を襲う人狼だなんて信じたくない

けれど彼らの話に嘘があるようには思えないし何より自分だって友達が人狼なら助けたいと思うだろう

シ｢このことは内緒にしてくれないか？｣

『えぇ、分かってる。でもアニメーガスって魔法省に申請しないといけないよね？』

ジェ｢そんなのバレなきゃ問題ない｣

『え、』

幾ら学校の問題児といっても魔法界の規則まで破るとは考えてもいなかった

ピ｢まだ3人とも変身出来てないけどね｣