瞳の奥に映るもの【シリウス･ブラック】 (ページ29)

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夕食の時間になると朝の不機嫌さは消えていた代わりに何故かAを見ると目線をそらすシリウスの姿があった

『ねぇ、やっぱり私シリウスに何かしたのかな？お昼の時も授業中も目を合わせるどころか話してさえくれないのよ？』((ﾎﾞｿｯ

リリ｢私にもさっぱりよ。あんなよそよそしいブラック初めて見たわ｣((ﾎﾞｿｯ

あまりの変わりように男子3人も困惑しているようだった

『シリウス？私が何か言ったなら謝るわ。』

シ｢べ、別に何もねぇよ｣

やっぱり顔を合わせてくれない

ジェームズと話してる時やリリーと話す時は普通なのに

自然と口角が下がる

ミ｢A、気にすることないよ｣

ラ｢明日になったら元に戻るでしょ｣

『…うん。私そろそろ行くね』

いつもより食欲が湧かないし、ずっと座ってるのもなんだか辛くてそそくさと席を離れた

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中庭に出ると一気に静かになり辺りは中の灯りが漏れているだけで薄暗い

目を凝らしてみるとベンチに誰か座っている

そっと近づくとこちらに気づいたようで立ち上がり歩いてくる

｢来てくれないかと思った｣

『呼び出されたら行くものでしょう？』

｢中には来ないやつもいるけどな……それで話なんだけど｣

『うん』

ｸﾞｯと顔を近づけ手を握られる

『ｯ』

｢僕入学式の時からずっと君のことが気になっていたんだ。寮なんて気にしない。僕の彼女になってくれ｣

『ご、ごめんなさい。気持ちは嬉しいけど付き合うことは出来ないわ。……あと、手を離して貰えない？』

何とか振り払おうとするけど緩むどころかどんどん握る力が強くなる

｢この僕が告白しているのに断るのか？僕の家は純血なんだぞ。君の家族なんて一瞬で消せる｣

『……』

純血の何がそんなに偉いのよ

『私は血なんて気にしない。いいから離して』

｢ﾁｯ、そんな余裕でいられるのも今のうちだぞ！｣

ﾄﾞﾝｯと押されて壁に背中がぶつかる

『ｯ、』

両腕を拘束され身動きができない

それに夕食の時間のため周りに人はいないため助けを呼ぶことも不可能

不安と恐怖で涙が出そうになる中頭に浮かんだのは

『ｼﾘ…ｳｽ……ｯ』