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各々支えてもらいながら瓦礫の山から安全な物陰に身を潜める。
やっとの思いで抜け出せた所で安堵していると違和感を覚えた。
「…岩本くんは?」
隣にいた北斗も気づいたようで皆にそう問いかける。師匠はその言葉でハッと気づいた様で辺りを見渡す。
「…あそこ。」
慎太郎のか細い声と遠くを指す指先に視線を合わせる。
少し体をずらしてグラウンドの方を向くと遠くにいる人間と動物の姿が。
「まさか…!」
「ここに来る途中あいつらの1人に見つかって、岩本くんとラウールが囮になってくれたんです。」
目黒の声はどこか震えていた。
他のみんなも唇を噛んで悔しそうな表情を浮かべている。
「とりあえずふっかさん達を安全な場所に連れて行かへん?」
「そうだね。どこに隠れよっか?」
「俺たちが最初にいた格技棟は?」
「体育館が破壊されたんだからあそこも破壊されちゃうよ。」
康二くんの提案に佐久間くんと慎太郎が話し始めた。
目黒は依然顔をしかめている師匠を心配そうに介抱していた。俺の隣ではきょもが北斗の肩を掴んで倒れない様にと支えている。
普段ならきょもほく!と騒ぐところだが、生憎先程頭を強打したせいか頭痛がしてきてそれどころではない。
「よし!体育館の裏側に行くよ!」
「でも、危なくね?」
「壊された後ならもう攻撃されることもないっしょ!」
佐久間くんが先頭を歩き、師匠をおぶった目黒、慎太郎ときょもに支えられて俺と北斗が続き、康二くんが後ろを警戒してくれている。
跡形もない建物の裏側は瓦礫が多いが身を隠すには丁度良かった。
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あんこ(プロフ) - 柑橘さん» コメントありがとうございます!不定期更新になりますが気長にお待ちいただければと思います♪ (2022年11月3日 10時) (レス) id: 5e6bf3d23b (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - とても面白かったです‼これからも頑張って下さい‼続きみたいです!お願いします! (2022年11月2日 6時) (レス) @page8 id: 0e4755acad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんこ | 作成日時:2022年10月2日 20時