「フェアリーテイル」心から笑えなくなった少女は、昔のような信頼を思い出し始めました

笑えない日々その７８ ページ34

貴女Side





私が向かったのは、フェアリーテイルの医務室。

なぜこんな所に行っているのか、私には分からない。

でも立ち止まる気にはなれなくて、そのまま進む。

ナ「…ッ！？A？」

たまたま医務室から出てきたナツと鉢合わせ。

あぁ、本当についてない。

貴「Aだけど何？退いて」

ナツを押しのけて医務室に入る。

そこにはぽかんとした顔のルーシィ。

ル「A？どうして…」

信じられないという顔をしてる。

やめてよ、私も信じられないんだから。

こんな事をしてる自分が、分からない。

意識はあり、私がミネルバを止めたものの

やはりカラダは傷だらけ。

貴「手当したの、子供だもんね。

全然治ってないじゃん。」

ルーシィに手をかざし、魔法を発動させる。

ル「…ぇ」

聞こえるか聞こえないかの大きさの声で、

唖然としているルーシィ。

貴「…別に…、私のギルドがした事だから。

治してやっただけ。後味悪いでしょ。

貴女なんてどうでもいいし、このギルドなんて大嫌いだけど。

…完璧に治ったわけじゃないから。

この大会が終わるまで、寝てることね。」

最初の言葉に違和感はなかった。

きっと、その通りだって。

でも、最後のはなに？

手当はしたんだから、後はコイツの勝手なのに。

ル「…ありがとう」

あぁ。

懐かしい、この笑顔。

私はこの笑顔が、大好きだった。

この子は本当に綺麗に笑う。

ずっと思ってた。

貴「…別に」

ル「でも、ごめんね？私…約束守れなくて。

一位…取れなかったよ」

悲しそうに、目に涙をためて笑う。

どうしてそんな顔をするの。

相手は、ただの私なのに。

貴「…今日の試合が終わったら、来てあげる。

ほんの少ししか居ないから。言いたいこと考えてれば？」

ル「…えっ、ほ、本当に！？」

私、本当に何してるんだろ。

今日の私は変だ。

貴「…私は嘘は付かない主義だから。

…じゃあね」

ル「…うんっ！！待ってる！！」

今日の私は変だから、早くここから離れよう。

早歩きで席に戻った。

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