【文スト】素敵帽子の溺愛する彼女は最強無敵の電撃姫

電撃×20 ページ22

次に目を覚ますと目の前が真っ暗だった。


ただ先ほどまで感じていたはずの太陽の暖かさも、吹きすぎる風の冷たさも感じなかった。

あるとすれば左足首の慣れた鉄の感覚。


組織に連れ戻された事は嫌でもわかった。


怖かった。朝起きても何も見えない。唯一の外との繋がりであった本も読めない。蝋燭一本分の光すら、感じ取ることができなかった。


そして1人の研究者であろう男入 言った。


生まれてこのかた一度も太陽の光を浴びていなかったため、日光に対する抵抗力が圧倒的に弱くその影響で失明したのだと。


あてが組織から抜けたのは太陽の存在の書いてある本をあてに渡した1人の研究者の責任だったためその研究者を処分したと。



泣いた。寝ることすら忘れて、ただ泣いた。泣き始めてから何日経ったのかもわからない。髪を洗う女が何回も来ていたから数日は立っていたのだろう。


初めて知った。涙はこんなにも流れるものなのだ
と。

始めて何かを憎んだ。光すら、私から奪っていくのかと。


そして私はこの世界に、絶望した。


二ヶ月後目が見えるようになった。理由は不明だと言った。訓練で体が丈夫になっていたのかなどと研究者たちは言っていた。

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