【銀魂】男装少女が生まれ変わりました【坂田銀時】

117.お母さんは ページ47

伯母さんが言うに、Aは伯母さんのお姉さん"黒瀬凛子"さんに拾われたらしい







その時はまだ20代前半位の年齢で、普通は結婚。もしくは恋人がいる年頃だろうが、黒瀬さんは結婚も恋人も作らなかったそうだ







それは黒瀬さんが"死病"にかかっていたから







どうせすぐ死ぬのなら、好きな人など作らない方がいいと思っていたのだ。だがしかし、それとは逆に子供は欲しいと思っていたのだ







そんなときに黒瀬さんはAと出会った








幼い子供で、立った一人で街の隅で座り続けるAを見て、その時黒瀬さんはAに話しかけたそうだ








『こんな所でなにしているの？お母さんやお父さんは？』







するとAはこう答えた






『分からない。気づいたときから俺は一人だった』







決して悲しい目をしていたわけではない。一人でいることに苦しんでなどいなかったが、黒瀬さんはAを育てることにしたそうだ







自分の子として大切に








"A"という名前も黒瀬さんが付けたらしく、ここで『黒瀬A』が誕生したのだった









「姉は数年前に、死病でなくなりました。でもAちゃんは、それをちゃんと受け入れて今まで生きてきたんですよ」









伯母さんは目を細めながら、タンスの上に飾ってある、小さい頃のAの写った写真を見た








黒瀬凛子さんに拾われたA…








生まれ変わっても、本当の親がいない







せめて、母親だけでも見つけられたら…








全く似ていない親子の写真を俺もジッと見つめる







すると___








「伯母さん…勝手に人の昔話話しないでくれよ(汗)」







額に冷えピタを貼り、羽織をギュッと握り締めるAが、部屋の入口で立っていた

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