19話 ページ19
○
ばたばたばた。
家にすぐ帰ってテキトーにご飯食べたあと、すぐにスマホで電話をかけた。
「ちょっと、新一くん!」
『んだよA、かけて早々大声出してよ…』
電話の相手は幼なじみである高校生探偵、工藤新一くん。高1になって再会したら推理バカになってた彼、今は事件を追って学校には来てないんだけど。
わたしは新一くんに怒っているのだ。
「コナンくんにわたしのこといろいろ話したでしょ!?」
探偵ってふつう守秘義務的なものあるんじゃないの??
というかなんで小1のコナンくんに話したわけ?
とりあえず問いただしたいことが沢山あるから、まくしたてるように電話の向こうへかみつく。
『い、いや悪かったって…うっかり口が滑ってよ』
口が滑ったってなんだ。というかわたしの話したのか。
まあ大人びたうえに事件によく首つっこんでるコナンくんだ、わたしのこと不思議に思ったのかもしれない。
「…だからってホントのこと言わなくてもさあ」
はあぁ、とため息をつくと、新一くんはもう一度謝ったあと、不思議そうに聞いてきた。
「けどさ、なんでそんな隠そうとすんだよ?」
びくっと肩が跳ねた。
そこつっこんでくるか、流石は名探偵。
まあ新一くんなら良いか、とひとつ息を吐いた。
「『可哀想』って思われるのが嫌なの
今まで散々、そういう目を向けられて同情されてきたから」
すると電話の向こうから、はぁ?と呆れたような声が聞こえてきた。
なんて反応だ、こちとら何年も悩んでんのに…とキレそうになったとき。
「おめーの周りに、そう言ってくるヤツがいんのか?」
はっとした。
今まで隠そうと来てきた人を思い返してみる。
コナンくんや喫茶店のマスター、安室さん、
…快斗くん。
みんなみんな、そんなことするようには思えない。
「わたし、すごく失礼なことしてたのかも…」
「バーロ、そう思ったんなら今から言えばいーじゃねーか」
新一くんはふっと笑って、わたしを励ますように言ってくれた。
「どっか間違えたって、やり直せるうちはやり直せよ」
そうだ。取り返しがつかない、なんてとこまでまだいってない。
なら、今からでも打ち明けることはできる。
「うん…うん、ありがとう新一くん」
素直にお礼を言うと、新一くんの照れたような笑い声が聞こえた。
そうだ、ちゃんと打ち明けよう。
怖い気持ちもあるけれど、新一くんの言った通りだと思った。
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みすと(プロフ) - わあああ返事遅くなってすみません(;; ) わたしも見ました、何回みても最高ですよね… こちこそ読んでくださってありがとうございます! (2020年4月24日 13時) (レス) id: 2f6679e490 (このIDを非表示/違反報告)
なな@鬼滅あんスタ(プロフ) - 昨日のロードショー見て来たのはうちだけじゃないハズ((((作者さんありがとうございます... (2020年4月18日 9時) (レス) id: 967fb8e362 (このIDを非表示/違反報告)
みすと(プロフ) - 加々知 零さん» 黒羽快斗くん夢、書くのとても楽しかったです(つω`*)小説読んでくださりありがとうございます! (2019年7月2日 22時) (レス) id: 2f6679e490 (このIDを非表示/違反報告)
加々知 零 - 。゚(゚´ω`゚)゚。快斗×夢主がヤバイよぉぉお!! (2019年7月2日 21時) (レス) id: b33ef74fc2 (このIDを非表示/違反報告)
みすと(プロフ) - 木実こむぎ@Project KZ副隊長さん» 最後のセリフは絶対これで終わろう!って考えていたのでそう言っていただけて嬉しいです!本当に読んでくださり感想までお聞かせくださり、ありがとうございます!また何か書き始めたら覗いてってください(^^) (2019年5月31日 19時) (レス) id: 2f6679e490 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みすと | 作成日時:2019年5月8日 21時