50話 ページ3
「あぁ…私を、私を責めないでくれ…
どうしても私たちの約束を果たしたかったんだ…」
悲痛な声が劇場内に響き渡った。
関係のない沢山の少女が犠牲になった実験に比べれば、マーセルは同情の余地はないとAは思う。
「どうやら、この審判も結果が出たようだな。ナヴィアさんの告発が成り立った今、タルタリヤ殿への告発も無効となる。」
ヌヴィレットが証拠品を確かめ、真相を整理した。
マーセルもといヴァシェは探索の最中、恋人ヴェニールが不用意に原始胎海の水に触れてしまい、目の前で溶けてしまったのだ。
そして、原始胎海の水というものを知ったヴァシェは女性を拉致しヴェニールを元に戻そうと研究に明け暮れた。
犯罪を犯しているため、身分を隠す必要がありマーセルという偽名を使いポワソン町で商売をしつつずっと研究をし、「ロシ」という原始胎海の水を薄めた麻薬のようなものを売っていたのだと言う。
棘薔薇会のいざこざは割愛し、判決のとき。
諭示機が動く。
「諭示機裁定カーディナルの審判結果により、被告人「ヴァシェ」は───
有罪。」
これにて連続少女誘拐事件は幕を閉じた。
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作者名:ういろー。 | 作成日時:2024年3月21日 21時