可愛い守護神【ブルーロック男主】 (ページ29)

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最悪のサイクルページ29

いがぐり『俺、みんなみたいに王道な話は持ってないんだけど。』

怪談も盛り上がってきて5人目の話し手である五十嵐栗夢が

胡座から正座に座り直し話を始めた。

いがぐり『俺の実家はみんなご存知の通り寺なんだけど、』

五十嵐栗夢はあたかも実体験のように話を進める。

本当に自分の体験談なのかは本人にしか分からないのだが

妙に事細かく、かつ当時の感情までも話すものだから

みんな自分の事のように聞き入っていた。

いがぐり『そしたら、！』

恐怖も極まっていた所で

ブルーロック施設内に妙な音が突然響き渡る。

もちろんほぼ無音に近かったこの部屋もそのせいで

みんながパニックに陥り、

五十嵐栗夢をはじめ、潔世一、黒名蘭世が立ち上がり

動き回ったせいでパニックが伝染し

その場は一言では現せないくらいの騒動が巻き起こった。

「うわ、！」

誰かに押された衝撃で床に倒れ込む。

その後何人か俺に続くように倒れ込んできて、

絵心甚八の電気復旧のアナウンスと共に

俺の身に起きた不幸を目にしてしまうことになる。

絵心『お前ら、電気は復旧した。この後全施設内の物が正常に動くかテストするから二時間後からトレーニング再開出来るよう準備しろ。』

絵心甚八がモニターから姿を消したと同時に施設内に明かりが付く。

起き上がろうとするも髪が絡まって起き上がれない。

「起き上がれない。音留くん。俺の髪どうなってます？」

音留『わっ、わあ。』

「ち○かわ？」

黒名『やばいぞ雛原。ランタンにすごい絡まり方してる。』

雷市陣吾と氷織羊の助けもあってランタンから離すことは出来たが

髪の毛は大惨事になっている。

潔『結構綺麗な髪なのにな。』

「まあ、ずっと縛ってなかった俺が悪いし。」

音留『メッシくんの好みなのにね』

「それ言われると悲しくなるから辞めてください！？」

高校入学時から維持していたクラゲヘアだったが

これを機にバッサリ切るのもありかもしれない。

臥牙丸『雛原、いつも前髪邪魔そうにしてたから短髪がいいんじゃないか？』

いがぐり『俺と同じ坊主にしてダブルボウズとしてコンビ売りしようぜ！』

「しない。」

雪宮『西岡の好みの髪型がいいんだったら西岡と話して来なよ！』

みんなに後押しされながらイングランド棟に入る。

初くんはずっと眠っていたのか、

目を擦りながらも会ってくれた。