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No.30 ページ32

Aの言葉に、風間と諏訪はぱちりと瞬いた。
年齢より幼く見える外見をしている癖に余りメルヘンな事を口にしないどちらかと言うならばリアリスト思考のAから、予想外な単語が出たことに驚いている2人だ。
その手のものは信用しないのだとばかり思っていたが、少々認識を改める必要がありそうである。とはいえ、本はファンタジーものが好きだし伝承や伝説の類の話は信じてこそいないが好きなのでただ知られていないだけなのだが。


「はぁ?…流れ星?」

『うん、流れ星』

「……流れ星、な…」

『昼間スーパーで流れ星が消える前に3回願い事を繰り返すと、願いが叶うらしいって聞いて。探してみようかと』


願い事云々は兎も角として流れ星そのものは見たいから探していると説明すると、風間と諏訪は顔を見合せて笑った。
何だ、そんな事か、心配させやがって、なんて軽口を叩いて笑い合い、2人はAの頭と肩を優しく叩く。
武器を手放した掌に触れられるのは、何だかくすぐったい


「そうだな。早く見られるといいな。」

「お前が流れ星とか言うから願掛け信じてんのかと思ったら見たいだけかよ。可愛げのないお子様め」

『こっちの星は流れ星に限らず綺麗だから好きなんだ』

「以外だな。そういうものにはてっきり興味ないと思っていた」

「だな。流れ星に願い事するってのも鼻で笑い飛ばしそうだもんな、お前」

『む。確かに願いが叶うってのは嘘だろうなとは思ったけどそういう事をするの自体は否定しないぞ?』

「ああいうもしも神様がいるなら助けてくれというのはあまり好かん。もしもに縋るくらいなら自分で努力しなければな」

「俺はもしもって好きだけどな。結果はともかくその時は救いがあるかもって感じられるじゃねぇか」


談笑しながら警戒区域の中を進んでいく。トリオン兵の白色もゲートの夜空とはまた違った黒色も見当たらない、平和な夜。

雲の無い星空が無限に広がる黒に、チカリと一瞬光の筋が煌く。本当に、一瞬の出来事だった。音も無く流れた白い光が、あっという間に消えて行く
3人とも空を見ていないので誰にも気付かれずにひっそりと消えていった流れ星

トリオン兵の邪魔が一切入らない夜間の散歩は、流れ星にも劣らない美しさで小さく光る星達がキラキラとしていて綺麗だった

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アキ猫(プロフ) - No.44が蛟龍さんの「トリオンは生体エネルギーである」という小説の10ページ目の文に似すぎていませんか? (2021年6月28日 5時) (レス) id: 5cc706f72c (このIDを非表示/違反報告)
view_kc(プロフ) - 独自の設定がしっかりしてて面白いです!頑張って下さい (2019年2月24日 22時) (レス) id: 83b9dd6e07 (このIDを非表示/違反報告)
きのこの山よりたけのこの里(プロフ) - 本当ですか!!ありがとうございます!楽しみにしています!! (2019年1月18日 7時) (レス) id: a4f66017fa (このIDを非表示/違反報告)
βカロチン(プロフ) - きのこの山よりたけのこの里さん» わ〜!ありがとうございます好きって言って頂けてめちゃくちゃ嬉しいです!続編まだ本文が書けて無くてですね…明日明後日くらいまでにはパスワードも外して公開する予定なので…もうしばらくお待ちください…! (2019年1月17日 19時) (レス) id: 5d2c5598e6 (このIDを非表示/違反報告)
きのこの山よりたけのこの里(プロフ) - この小説めっちゃ好きです!続編に続いてたので、ページに飛んで行ったら、パスワードが掛かっていたので続編のパスワード教えて貰えないでしょうか? (2019年1月17日 17時) (レス) id: a4f66017fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:βカロチン | 作成日時:2018年12月29日 19時

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