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「そろそろ俺の天使を返してくれないかな?」
忍の背後でドアが開き、黒木君が顔を出した。

「天使?正気か?化けの皮を被った小悪魔だろ?」
忍は片方の口角を上げながら黒木君に挑発的に言う。

忍、ひどい!
化けの皮は合ってる(?)けど、小悪魔は無いんじゃない!?

「おっと、引っ掻くのはナシだぜ。」
忍が私を咄嗟に身体から離すと、黒木君が私を取り上げた。

「七鬼、知らないのか?いい女ほど小悪魔なんだ。」
黒木君が余裕の笑みを忍に向けると、忍は口をへの字にした。
「微妙な見解だな。こと、その猫に関しては。」
「七鬼にも……その内分かるさ。」
謎めいた台詞を残し、黒木君は私と部屋へと戻る。
忍は考え込んでしまった。

取りあえず黒木君の手の中で落ち着いた私。
やっぱり慣れた手の中が一番。

・・・・

忍!?
私を人間に戻してくれるんじゃなかったの?
私は忍に向かってニャーニャーたくさん鳴いて訴えた。

「どうした?猫。」
今度は若武が私を取り上げる。
「若武、“猫”はないだろ?“Mimi”て名前だ。」
黒木君が若武に教えると、若武と翼は声を揃え「そのまんまじゃん!」とツッコミを入れる。

「黒木、『にゃんにゃん』なんて、ちょっと可愛いすぎない?」
小塚君まで……
男子だけだと黒木君もからかわれる事あるんだ……
う〜ん、これも新しい発見かも?
私なんか黒木君に冗談の一つも言ったこと無いからな……
「そうかな?」
なんて素の顔で答える黒木君……黒木君ももしかして翼と同じ?

「なぁ、このミミちゃん、アーヤに似てね?」
若武は私を高々と上げ、下から私を覗き込む。

に、似てないわよ!
若武ったら……冗談言わないでよ……

「あ、若武も思った?実は俺も感じたんだ。この毛の色とか大きな瞳とか……何て言うか雰囲気とか。」
翼も若武の隣で私を見つめる。
二人の真っ直ぐな瞳に『バレたらどうしよう…』とドキドキしていると、
「立花と猫を一緒にするな!」
上杉君は若武と翼を一蹴。

上杉君、その意見、私はどう解釈すればいいの?
今“猫”である“立花彩”は悪い方にしか考えられない。
あ……なんだか落ち込んできた……

「そろそろ限界か?」
横から示指で私の顎を掬うように撫でながら忍が聞いてくる。

うん……立花彩に戻りたい……

「分かった……おいで。」
若武から忍へ。忍の大きな手に包まれる。

忍、お願い……戻れる方法教えて……

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り一 - この薬のんでみたい! (2020年5月22日 14時) (レス) id: a9605826b0 (このIDを非表示/違反報告)
千祥(プロフ) - 葵さん» めっちゃ褒めすぎですよ、葵さん(汗)でも楽しんでいただけたなら嬉しいです。ありがとうございました。 (2019年4月20日 23時) (レス) id: b78f8b2173 (このIDを非表示/違反報告)
- なんと表せば良いのか分からないくらい、読んでいてワクワクしました!凄く想像力が豊かだからこそこんなに素晴らしい作品が書けると思うので、ほんと尊敬します(p^-^)p (2019年4月19日 22時) (レス) id: 5cf405873d (このIDを非表示/違反報告)
千祥(プロフ) - みなみさん» 読んでくださり、ありがとうございました。いくつか掛け持ちをしているのでメドがたってから作りたいと考えています。妄想は絶えずしてますので、ネタはあるんですが(^_^;) また新作を出した時にはよろしくお願いいたします。 (2018年11月25日 0時) (レス) id: b78f8b2173 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - また新しい作品読みたいです!応援してます! (2018年11月24日 21時) (レス) id: 405036adca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千祥 x他1人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年3月28日 0時

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