【銀魂】流れ星のあなたと星屑の私 其ノ肆

189決着 ページ44

A、阿伏兎、銀時は身構える。







だが、次の瞬間、さっきまで一言も発しなかった神威が口を開いた。








神威「邪魔だ。すっこんでろよ。お前(夜兎の血)は。
兄妹…喧嘩くら…い…自分の拳でやらせろよ…。
負けるワケにはいかないんだ…
もうお前には…負けられるかよ…。
妹にこれ以上…兄貴が負けられないだろ…。
いい加減勝ちを譲れよ、妹よ。」








兄と妹がおぼつかない足取りをただし、身体中から血を流しつつも、互いに向き合う。



次の瞬間、両者共に相手に向けて拳を放つ。



その場に居る誰もが、意識がなくてもおかしくない程の重傷を負っていたにも関わらず、呼吸をし、眼を開けて、兄妹喧嘩を見守った。









そして…決着がついた。









神楽「もう勝負はついてるアル。殴れなかったにせよ、殴らなかったにせよ、兄貴の拳じゃ私は倒せないヨ。妹の手は振りほどけないヨ。」








A「！」








そのままゆっくり、神威は神楽の膝を枕にして横になった。








神楽「あの時、マミーの隣にはお前もいたネ。お前がっ…どこまで逃げたって、どれだけ…遠く離れたって振り切れやしない。
神威、お前はマミーの……
私達の家族だヨ。」









神楽の溢した涙が神威の目元に落ち、そのまま神威の目尻を伝う。


その姿を見て、Aは涙をこぼす。









A(……良かった……こっちの兄妹は…私達のようにならずに済んで…本当に良かった…。
団長も神楽も死ななくて…良かった…。)

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