116また会おう ページ21
ーーーー
浅井滅亡。
それを見せつけるように紅蓮の炎と柱が軋んで悲鳴を上げる小谷城。
その地獄絵図とも取れる光景を吉継と高虎は哀れむ様子もなく、ただ無表情で眺めていた。
決して瞬きをせず、眼に焼き付けるように…
高虎「…このまま果てるか？墓なら作ってやるぞ。」
吉継「…流れに逆らうのも悪くない…殿にそう教えてもらった。」
高虎「…俺も果てない。生き延びる事こそ忠義。俺はそう教えてもらった。
…お市様を頼む。俺は織田には降らない。それぞれ追いかけるとしよう。」
吉継「夢の続きを…」
そう告げると、吉継と高虎はすれ違い際に互いの片手を叩き合わせた。
吉継を置いて、高虎はその場から離れようとした…
その先には…
A「高虎……行っちゃうんだね…。」
高虎「!」
寂しそうに潤んだ瞳でこちらを見つめてくるAに高虎は笑みを返した。
高虎「……ふっ…そんな顔をするな。しばしの別れだ。俺は絶対死なない。いずれどこかでまた会えるだろう。
だからそれまで…
…お前も元気でな。」
そう言ってAの頭を少し撫でると、高虎は振り返らずにそのままAに背中を向けて歩き出す。
その背中にAは…
A「高虎!…私も…追うから!夢の先を目指して!」
高虎「!……。」
高虎は黙って振り返らなかった。
振り返らないようにした。
しかし、胸の奥から何かが込み上げてきて、つい首だけを振り返らせると、目線の先には…
吉継の胸に抱きつき、泣きじゃくるAの姿が在った。
高虎「…………あいつと離れれば…この痛みも無くなるのか…。」
高虎はAから貰った桜の押し花を懐から取り出すと、その押し花を見つめ、静かに目を伏せ、懐にしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
タンポポ(プロフ) - ありがとうございます(*´∀人)ありがたく張り切って書かせて頂きます。 (2018年9月9日 15時) (
レス) id: f0242507ad (このIDを非表示/違反報告)
安い料理屋 - タンポポさん» そうなんですか(笑)これからの展開が楽しみです( ﾟ∀ﾟ) (2018年9月8日 16時) (レス) id: 45056beaa1 (このIDを非表示/違反報告)
タンポポ(プロフ) - ありがとうございます!!恐らくこれから出てくる三成と清正もあんな具合にコメディ要素ぶっこむと思います…(;A´▽｀A (2018年9月8日 15時) (レス) id: f0242507ad (このIDを非表示/違反報告)
遠どぅー(プロフ) - タンポポさん» この小説が読めるだけで満足ですよ!! (2018年9月8日 12時) (レス) id: 8674fd3df2 (このIDを非表示/違反報告)
安い料理屋 - タンポポさん» いえいえ！こちらこそ素晴らしい作品をありがとうございます(*^-^*)少しオチャメな高虎が私は大好きですよ( ´∀｀ )b (2018年9月8日 9時) (レス) id: 45056beaa1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：タンポポ | 作成日時：2018年8月30日 16時
