112小谷城の戦い ページ17
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それから間もなく、織田による小谷攻めが始まった。
浅井軍は難攻不落とされる小谷城の城門や堀から織田を迎え撃ち、奮戦する。
しかし、織田の勢いは衰える所か攻撃は更に激しさを増していく。
織田軍の止まない猛攻に浅井は士気が下がり、押され、とうとう織田軍の小谷城侵入を許してしまった。
城にたどり着くと、織田軍はまず、火計を謀り、小谷城に火を点け、更に浅井軍を混乱へ追いやった。
織田軍が城内へ侵入しようとしている限り、火を鎮火している余裕はない。
こうなってはもう、助かるには小谷城を脱出して逃れる他なかった。
絶望的な状況の中、ここまで追い込まれても尚、眼に希望の光を灯し、生きることを諦めずに戦っている者達が居た。
吉継「……もうここは直に崩れる流れだな。」
高虎「なら、崩れる前に長政様とお市様を城の外へ連れ出せばいい!このまま俺達で退路を作るぞ!」
吉継「……あぁ。」
A「吉継!高虎!」
火の粉に混じりながら、織田の兵達を斬れ伏す吉継と高虎の元にAとお市が駆けつける。
高虎「お市様!ご無事で何より……!長政様は!?」
お市「…大丈夫。すぐに追ってきます。長政様の足手まといにならない為にも、私達は先にここを脱出しましょう。」
高虎「しかし…!」
吉継「高虎。お市様の申される通り、俺達は先にここを出よう。脱出は大勢だと目立つ。」
高虎「っ……わかった。だが、どこから出る?どこの階も煙が増してきている。このままでは八方塞がりになるのも時間の問題だ。」
お市「確かに…そうですね……確か、ここからだと…」
A「裏口から脱出しましょう。」
高虎、お市「!」
A「私が案内します。女中見習いをこなしながら、城の中の構造も覚えたので。」
お市「A…。」
高虎「だが、煙と炎が…」
A「…
…私を信じて[ニコッ]」
高虎「!!」
Aは三人に背中を向け、先陣を切って走り出す。
A「早く!こちらへ!」
お市「はいっ!」
高虎「……。」
呆気に取られる高虎の背を、吉継は軽く叩く。
吉継「高虎、俺達も行こう。今、あの二人を守れるのは俺達しか居ない。」
高虎「!…あ、あぁ…。」
高虎は以前にも感じた胸の高鳴りを炎と煙のせいにして、走り出した。
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タンポポ(プロフ) - ありがとうございます(*´∀人)ありがたく張り切って書かせて頂きます。 (2018年9月9日 15時) (レス) id: f0242507ad (このIDを非表示/違反報告)
安い料理屋 - タンポポさん» そうなんですか(笑)これからの展開が楽しみです( ゚∀゚) (2018年9月8日 16時) (レス) id: 45056beaa1 (このIDを非表示/違反報告)
タンポポ(プロフ) - ありがとうございます!!恐らくこれから出てくる三成と清正もあんな具合にコメディ要素ぶっこむと思います…(;A´▽`A (2018年9月8日 15時) (レス) id: f0242507ad (このIDを非表示/違反報告)
遠どぅー(プロフ) - タンポポさん» この小説が読めるだけで満足ですよ!! (2018年9月8日 12時) (レス) id: 8674fd3df2 (このIDを非表示/違反報告)
安い料理屋 - タンポポさん» いえいえ!こちらこそ素晴らしい作品をありがとうございます(*^-^*)少しオチャメな高虎が私は大好きですよ( ´∀` )b (2018年9月8日 9時) (レス) id: 45056beaa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タンポポ | 作成日時:2018年8月30日 16時