108飛んでいく先 ページ13
A「…吉継。知ってる?蝶は美しさの他に生まれ変わりの象徴でもあるんだよ。芋虫から蛹へ…蛹から蝶へ…………。」
吉継「?」
急に黙りこむAに吉継は首を傾げる。
だが、Aは躊躇うように口を開いた。
A「……よく考えたら…蝶はどこへ向かうんだろう?……死んで終わりなのかな?」
吉継「!……終わらない。蝶も人も還る場所は同じだ。そして、それぞれが再び異なる生を賜って、そこから旅立つ。
六の巷に…枝分かれして…一つの流れに乗る…。」
A「……そうやって…前世の記憶も塗り替えられてっちゃうんだ…。」
吉継の胸にうつかかりながら、目を伏せるAの頭を吉継はそっと優しく撫でながら言った。
吉継「…永遠の刻はない。覚めない夢もない。どれだけ幸せな時間にも必ず終わりが来る。それが世の理であり、流れだ。」
A「っ……。」
吉継「……だから、俺はどの流れに在っても、お前の傍に居る。」
A「!」
そう言って吉継は布越しにAの額に口づけをした。
それが不安に駈られていたAの心を暖かく包容する。
A「……私も、吉継の傍に居るよ。ずっとね…。」
そう言ってAも笑いながら、手を伸ばして吉継の頬に手を添える。
吉継は布越しでも伝わる、Aの手の平の温かい体温が心地よく感じた。
するとAは今度は吉継の胸に耳を当てた。
A「ふふふっ……吉継の心臓の音…聴こえる……とくんとくんって……この音聴いてると…凄く安心するよ…。」
吉継「!……ふっ……お前の体から伝わる体温も、俺にとっては必要な温もりだぞ。お前のその声も…聴いていて安心する。」
A「ふふふっ!…吉継ったら……
…吉継。最後とは言わない。
でも……私……頑張るから。
長政様達の夢…実現させてあげたい…。
何とかこの流れを変える方法を探すよ…
……私、諦めないから。」
吉継「!……あぁ…俺も…あのお二人の夢を守ろう。それが俺の…いや、俺達の選んだ流れだ。」
A「!うんっ!」
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タンポポ(プロフ) - ありがとうございます(*´∀人)ありがたく張り切って書かせて頂きます。 (2018年9月9日 15時) (レス) id: f0242507ad (このIDを非表示/違反報告)
安い料理屋 - タンポポさん» そうなんですか(笑)これからの展開が楽しみです( ゚∀゚) (2018年9月8日 16時) (レス) id: 45056beaa1 (このIDを非表示/違反報告)
タンポポ(プロフ) - ありがとうございます!!恐らくこれから出てくる三成と清正もあんな具合にコメディ要素ぶっこむと思います…(;A´▽`A (2018年9月8日 15時) (レス) id: f0242507ad (このIDを非表示/違反報告)
遠どぅー(プロフ) - タンポポさん» この小説が読めるだけで満足ですよ!! (2018年9月8日 12時) (レス) id: 8674fd3df2 (このIDを非表示/違反報告)
安い料理屋 - タンポポさん» いえいえ!こちらこそ素晴らしい作品をありがとうございます(*^-^*)少しオチャメな高虎が私は大好きですよ( ´∀` )b (2018年9月8日 9時) (レス) id: 45056beaa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タンポポ | 作成日時:2018年8月30日 16時