39話 ページ40
パソコンの電源を落とす。
「終わったあ?」
「終わった」
「楽しかった?」
「いい終わりとは言い難いかな」
「つまんなかったんじゃん!!」
「人が死ぬ展開は面白いとは言い難いだろ」
固く目を閉じた場地君の姿が脳裏に浮かぶ。
抗争は東卍の勝利。しかし目的の場地圭介奪還はできなかった。
場地圭介は死んだ。恐らく、仲間の為に。
負い目を感じて欲しくなかったんだろう。だから自決を選んだ。
何とも仲間思いな男の子だ。とても初対面の人間を殴ってくるような奴には見えない。
羽宮一虎は捕まった。恐らく過去と、そして今日のことと向き合う為に。
音が聞こえていなかったからこの見解が合っているかは分からないが。
逮捕者1人に死者1人。何とも悲惨な結果だ。
「これは堪えるだろうな」
特にマイキー君と松野君は。
羽宮君は松野君のことを確か場地君の腹心だと言っていた。
マイキー君は場地君と幼馴染みだ。言わずもがなだろう。
幼馴染みが、死ぬ。
────────。
翔奏が死ぬことを想像し、振り払うように首を振った。
翔奏が死んだら自分はどうなるんだろうか。考えたくもない。
こりゃ隆も傷心中だな……暫く1人にしてやろう。
「きーちゃんどうだった?」
「不良って怖い」
「月並みな感想!」
「悪かったな月並みで」
でも怖いじゃん。見た?特にマイキー君。
半間君一撃で気絶させてたよ。これからマイキー君に絡みに行くの気を付けよ。
もはや核弾頭並の威力だぜあれ。最悪首もってかれる。
あとはー……タケミっち君。
何を言ったかは分からないが、羽宮君をボッコボコにしていたマイキー君を見事に止めた。
もう完全に東卍の恩人だな。
花垣武道、か。
「なぁ翔奏」
「なぁにきーちゃん!」
「タケミっち君のこと調べて」
「!!」
「何か、変」
違和感とも言うべきか。
ここ最近感じるタケミっち君に対する違和感。
見過ごすにはちょっと大き過ぎる。
「というか、お前のことだから調べはついてるんだろうけど」
「ううんっ!!ぜんっぜん!全然調べてないよ!!調べるね!頑張って2週間以内には調べる!!任せてきーちゃん!この神凪翔奏に全てお任せなんだよ!!」
「嘘付け。お前絶対押し付ける為に調べてただろ」
「もっと詳細に調べるから!!」
「そんな細かくされても……お前張り切り過ぎるとみじん切りも驚く細さになるからなぁ……」
ちなみに。
後にこの大規模な抗争は血のハロウィンと呼ばれることになる。
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作者名:雨野夜都 | 作成日時:2021年8月24日 5時