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34話 ページ35

「あ、来た来た!!」

「自分が行くから翔奏は待ってて」

「いいの?」

「お茶も汲むからソファーで大人しく座ってろ」

「分かったー!!ありがとうきーちゃん!」

翔奏は大きい声で返事をして勢いよくソファーにダイブした。

人の話聞いてた?座れとは言ったけどダイブしろなんて言ってねぇよ。

「はいはい今行きますよーっと」

自分が知っている人、か。

うーん、そんなに知人が多いわけではないからなぁ。しかもその8割〜9割は翔奏のことを知らない。

だいぶ数は限られてくるし、1割〜2割の中で此処を知っている人間は更に少ない。

知ってる人……知ってる人ね…………。

何て考え込んでいる間に玄関に着いてしまった。

「開ければ分かることだし、まぁいいや」

珍しく高揚している心を抑え込んで扉を開ける。

「あ、れ!?黒脛さん!?」

「さようなら」

心が一気に冷え込んだ。

目を引く金髪が2人。

片方に至っては包帯やガーゼだらけの怪我人。

確かに片方は自分が知っている人だった。

ということで、さようなら。

「待って!!閉めないでください!オレ達翔奏さんに言われて来たんです!」

「正確には相棒が、だけどな」

「翔奏ぁ?タケミっち君といつ連絡先交換した?」

「ないしょー!!」

「ないしょー!!じゃねぇよ」

すぐそこにいる翔奏のにんまり顔がありありと想像できた。

此奴は本当に人を困らせるのが好きだな……。

あー、と思わず天を仰いだ。

「あ、あの……出直します!!」

「いいよ上がって。ちょっと意地悪し過ぎたね。そっちのゾンビ君も」

「さっきと態度がまるで違いますけど!?」

「ゾンビじゃねぇよ。松野千冬だ」

「松ぼっくり君ね」

「相棒、此奴本当に大丈夫か」

せめて?を付けようよ。その語気は断定してるのと同義だぞ少年。

「この人名前覚えるの苦手だから……」

流石タケミっち君分かってるぅ!!

茶番もそこそこに家に2人を招き入れて翔奏の待つリビングへ向かう。

「お客さんが到着だよ翔奏」

「や、ミチミチ君!松野千冬君も初めましてー!!神凪翔奏だよん!」

「あ……え……?」

「はぁ……?」

いぇーい!!とハイテンションの翔奏に2人は呆気にとられている。

気付けば自分の口から溜息が零れていた。

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設定タグ:東京卍リベンジャーズ , 東リべ   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:雨野夜都 | 作成日時:2021年8月24日 5時

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