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28話 ページ29

「お前が最近マイキーとつるんでる黒脛Aって奴?」

「こんにちは」

「うわ気持ち悪いくらい目ェ死んでんじゃん。これは長い間目合わせてたら気ィ狂うわ」

「君も瞳孔ガン開きで危ない雰囲気ダダ漏れだね」

「言うじゃん」

黒と黄の髪に、虎のタトゥー。

端正な顔立ちと鈴のピアス。

黒い学ランが他校生であることを強調させる。

あからさまな不良の出で立ちをした少年が目の前に立っている。

隆の帰りを空き教室で待っていたら知らない輩に絡まれた。

否、現在進行形で話しているから“絡まれている”の方が正しいか。

誰だ彼は。最初の発言からして恐らく初対面の……は……ず?

うわヤベ、自信ねぇや。聞いとこ。

「自分と貴方は初対面ですか?」

「そうだけど?」

どうやら見立て通り初対面だったようだ。安心安心。

あ、やめてくださいそんな気味悪がらないで。ちょっと記憶力がポンコツなんです。

「ところで自分なんかに何の用で?他校生に絡まれる程の人間じゃないと自負してるんですけど」

「マイキー、知ってるだろ?」

「まぁ……」

「オレは羽宮一虎!一虎でいいよ。ちょっとオレに着いてきてよA」

パーソナルスペースがバグっているのか羽宮君は肩を組んできた。そして初っ端からA呼び。

近い近い近い近い。不良って皆パーソナルスペースバグってんのかよ。

「え、いや隆待ってるから」

その時、ぴくりと羽宮君が反応する。

「……隆って、三ツ谷隆?」

「隆と知り合い?」

予想外にも隆の名前に反応。マイキー君だけじゃなくて隆とも知り合いか?

自分ってもしかして不良引き寄せマシンなのでは……?最近不良との絡み多過ぎだろ。

「なら、余計に着いてきてよ」

「羽宮君痛い」

痕が残りそうなくらい強く肩を掴まれる。

そして段々と羽宮君の雰囲気が不穏になってくる。

「来れるよね」

「疑問符がない……」

ちらりと羽宮君を伺い見る。

前髪から覗く暗い双眸を見て自分は今更ながら察した。

────────これは、マズい。

「来い、A」

もはやそれはお願いではなく命令。

どうやら自分は不良じゃなくて面倒事引き寄せマシンだったようだ。

少しくらい現実逃避させろよ優しくないな。

在りし日と似たような展開に溜息をつく。

「…………恨むぞ隆」

振り上げられた拳を最後に、自分の視界は闇に包まれた。









「A悪い!!遅くなっ────A?」

教室は、もぬけの殻。

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設定タグ:東京卍リベンジャーズ , 東リべ   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:雨野夜都 | 作成日時:2021年8月24日 5時

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