守られた約束１ ページ25
寝たり起きたりの生活を２日程過ごし、ようやく家の中を歩き回れるようになった。
点滴のおかげもあって食事量はあまり増えていないが、体力も回復しつつある。
しかし、昴には気になることがあった。
どうやらさくらは博士と哀、そして昴の様子を探っているようだった。
３人の１日の行動パターンを把握しようとしている…というのが正しいかも知れない。
こんなことをする理由は１つしかない。
「ここから出て行くつもりだな」
三日目の夜———
さくらはここを出ることを決めていた。
これ以上迷惑をかけるわけにはいかないから…。
博士と哀は寝室。昴は昨日から工藤邸に戻っている。
出るなら今だ。
置き手紙をし、自分の荷物をもって阿笠邸から出た。
あと数歩で敷地を出る——という所で不意に左手首を掴まれた。
回し蹴りを仕掛けるが手業でいなされる。
掴まれていない右手の手刀で相手の首を狙うが、それも読まれていた。
何より昨日まで寝込んでいたのだ。
体のキレは悪く、すぐに息が上がった。
相手はさくらの両手首を片手一本でラクラク束ね、阿笠邸の外壁にさくらの背中を押し付けた。
両腕はさくらの頭の上でがっちりホールドされたままだ。
足も相手の足でガードされており全く動けない。
その上相手の空いている方の手で口を押さえられる。体が重い。
今のさくらではとても敵わなかった。
観念して体の力を抜く。
相手の顔は街灯の逆光になっていてよく見えない。
「どういうつもりだ」
相手がようやく口を開いた。
しかしその声にさくらは目を見開く。
(ッ！！ライ…？！)
押さえられていた手首は緩められ、グイッと引き寄せられた。
そのまま赤井秀一の胸元に頬がぶつかる。
彼の手はさくらの背中と後頭部を包み込み、そのまま抱きしめられた。
「どういうつもりだと聞いている」
明らかに怒っていた。
しかしさくらには、なぜ赤井秀一が生きてここに居て、しかもここを出ていこうとしている
自分に怒っているのか全くわからない。
「な…なんで…なんでライがここに…？ 本当にライなの？ これが嘘だったら私立ち直れないよ…？」
さくらはそう搾り出すようにつぶやいた。
「絶対に死なないと約束しただろう。お前、俺を信じてなかったのか？」
「そっか…。そうだった…。そうだったね…」
そうつぶいたさくらの目からは涙があふれていた。
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aki(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。 (7月8日 23時) (
レス) id: 30aa1f0c8d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 限界を迎えて5、麻じゃなくて、朝です。 (7月8日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。小説は書いて消しての繰り返しです。全然書けない日もあったり、タイピングが間に合わない程言葉が溢れたり。そういう時に変換ミスが出やすいです。気を付けていますが書くのも校正も1人ですから気付かぬことも多いです。 (7月6日 23時) (レス) id: 30aa1f0c8d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 運命の再会4、洗出じゃなくて、新出です。何故、一ヶ所だけ誤変換があるのですか。 (7月6日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 運命の再会3、徹じゃなくて、 透です。 (7月6日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aki | 作成日時：2019年7月17日 19時
