限界を迎えて6 ページ24
哀が学校へ行って1時間ほどした頃、さくらが目を覚ました。
お粥を食べさせたが、半分をやっと食べたところでスプーンが進まない。
食べなければ皆に心配をかけてしまう…。
そう思いながらも体はなかなか受け付けなかった。
ひとりで座っているのもツラくなってくる。
だんだん前のめりになっていく体を、昴が抱きとめた。
「無理しないで横になりましょう」
そういってさくらを寝かせてくれた。
13:30を回る頃、新出先生が往診に来てくれた。
食事が取れていないので点滴をしてもらう。
PTSDの治療が必要であることを説明されたが、体調が戻るまでは治療はできないと言われた。
もちろん、その話をさくらも一緒に聞いていた。
(ずっとここにお世話になるわけにはいかない…。組織に目をつけられれば、迷惑がかかる。
動けるようになったら、そっと出ていこう)
密かにさくらは考えていた。
夜になり点滴のおかげもあってベッドから降りることもできるようになった。
熱は完全に下がったようだ。
まだ無理だという哀を説得して女同士でなかよくお風呂に入る。
一人で入ると言ったら、哀にメチャメチャ怒られた。
結局両者どっちも引かず、妥協案として二人で入ったのだ。
久しぶりにさっぱりして気持ちが良かった。
しかし体力がないままの入浴だったため、案の定着替えが終わると動けなくなってしまった。
「昴さんを呼んでくるわ。ちょっとまってて」
哀は身支度をしてパタパタと脱衣所を出て行った。
待つこと数分———
今度はふたり分の足音が近づいてくる。
「大丈夫ですか? 今お運びしますから」
そういうとひょいっとさくらを抱きあげた。
「スミマセン…」
さくらは申し訳なさそうに昴に謝った。
「謝らないでください。辛い時は頼ってください。
頼られた方が男は喜びます。単純なんですよ」
そういって昴はいたずらっぽく笑った。
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aki(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。 (7月8日 23時) (レス) id: 30aa1f0c8d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 限界を迎えて5、麻じゃなくて、朝です。 (7月8日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。小説は書いて消しての繰り返しです。全然書けない日もあったり、タイピングが間に合わない程言葉が溢れたり。そういう時に変換ミスが出やすいです。気を付けていますが書くのも校正も1人ですから気付かぬことも多いです。 (7月6日 23時) (レス) id: 30aa1f0c8d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 運命の再会4、洗出じゃなくて、新出です。何故、一ヶ所だけ誤変換があるのですか。 (7月6日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 運命の再会3、徹じゃなくて、 透です。 (7月6日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aki | 作成日時:2019年7月17日 19時