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落ち着いたブラウンチェックのシャツワンピース姿で現れたA。
いやデート服かよ。
そーゆーのは及川の前で着ればいんじゃね？多分ぶっ倒れるぞあいつ。
まぁAはきっと、誰のことも意識してないんだろうけど。
急に呼び出してきた割にはきちんと可愛らしい服装のAに、照れ隠しで、じゃあ付き合うかなんて言ってしまった。
まぁ普通にスルーされたけどな。
でもこんなことは予想の範囲内。
地味に傷つくんですけど、とは言わなかった。
そんな事を考えながら、少しぬるくなった、バニラアイスがべちゃべちゃに溶けたコーヒーフロートをまた一口飲んだ。
この飲み方が癖になるんだよなぁ。
昔から俺にとってのコーヒーフロートはこれ。
若干引いたようにそれをじっと見ているA。
『ねぇ、それちょっと飲ませて』
「ん？いいけど」
Aは俺が使ったストローで、そのままコーヒーフロートを口に含む。
こいつ、そーゆーの気にしねぇのな……。
いいけど、いいけどもさ？
この無自覚、なんか腹立つんだよな。
こっちの気も知らねぇでさ……。
『うわ、あっま』
甘いと言って苦い顔をするA。
落ち着いた色合いのリップクリームを纏った唇に釘付けになった。
「こうでもしねぇと苦いじゃん？」
『………お子ちゃま』
「ん？なんか言いましたかー」
『お子ちゃまと言いました』
「プリン食ってる奴に言われたくねー」
『固めプリンは喫茶店の定番でしょ？』
「ほえー、お詳しいこと」
一口、また一口と美味しそうにプリンを頬張るA。
銀のスプーンで掬うプリンは確かに美味しそうだ。
とある夏休みの午後、Aと渋めの喫茶店で話したこと。
それが自分じゃない奴の話題だったとしても、今日のことは俺的に、この夏のハイライトになりそうだ。
『今更だけどそのシャツ涼しげでいいね、似合ってるよ』
なんの気なくサラリと褒めるAに、少しだけ顔が熱くなった。
俺は本当に、これっぽっちも意識されていない。
友達の、証。
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蜜柑(プロフ) - 卵おにぎりさん» ありがとうございます！最近更新できてなかったので頑張ります…！ (2021年8月3日 14時) (
レス) id: 6c0400a92a (このIDを非表示/違反報告)
卵おにぎり - とても好き! (2021年8月3日 11時) (レス) id: 9fc3fd6c87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜜柑 | 作成日時：2021年5月30日 19時
