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綺麗なものには、 ページ11

「んん“っ」

「なんだA、喉を痛めたのか。」

「いえ、ただ少し…ゴホッ。」


鬼って風邪を引くのか…?
鬼になって数百年、初めての経験に眉をひそめる。
喉を潰した記憶は無いし、そもそもそんな機会が無い。

そういえば、と思い出す。今日のおやつとして食べたあの花…あれがいけなかったのかも知れない。
蜜吸いに止まった虫が死んだの見たのに、好奇心から食べた訳だけど…うんあれだ、毒があったに違いない。

甘くて美味しかったのに…残念だ。


「大丈夫か?」

「はい。」


返事を聞いた無惨様はそうだと何かを取り出すと、私から彼がくれた簪を外して、同じ場所に別の何かを差し込んだ。
恐らく簪。


「お前が身なりに気を使うのを前知ってな…特注で作らせたものだ。中々思い通りの物が出来なくてな、二、三人殺してしまったが…。やはりそっちの方がよく似合う。」


にこりと微笑む無惨様。
この簪の為に何人の人がどれぐらいの時間を費やされたのだろうか。
無惨様から最近良く血の匂いがするのはそういう事だったんですね。

私の為に、私だけの為に…


「ありがとうございます。」



心臓の音は至って普通。思考回路も止まる事は無い。
当たり前の様に彼から貰った時の方が気持ちは高まった。


残酷だと思う。
恋とは、愛は、酷く悲しい。

こんなにも大切に愛でてもらっているのに私の気持ちは揺るがない。

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あなや(プロフ) - 不死川さんかっこいいですもんね!更新頑張ります! (2019年8月12日 16時) (レス) id: 565d168dc0 (このIDを非表示/違反報告)
ハロハロ〜(プロフ) - 不死川実弥大好きなのでとても嬉しいですうううう!!この小説面白いです!更新頑張ってください!初コメ失礼いたしました! (2019年8月11日 21時) (レス) id: 409bd25d53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あなや | 作成日時:2019年8月9日 13時

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