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少年の傷に触れないように私は少年の手首を掴み歩き始めた
静かに少年もついきて来ているし問題はなさそうだ
『さぁ、座って。まずは傷を洗わないとね…えっと…』
あったあったと公園の水飲み場で少しハンカチを濡らし大人しく座る少年の手に当てる
「ッ」
『あぁ、少し痛むかい？大丈夫この薬を塗ればすぐ治るよ。なんたってこれは魔法の薬だからね！』
「魔法？」
『ははは…冗談だよ(本当だけど…)』
カバンから小さな薬瓶を取り出し少年の傷に塗っていく
「痛くない…」
『魔法みたいだろ？』
「冗談なんですよね？」
『あぁ…そうだった』
頭をポリポリと掻きながら苦笑いを浮かべる私に少年は怪訝な目を向ける
『そんな顔で見ないでくれ…冗談好きのお姉さんだとでも思っておいてくれ。さておしまい』
少年の小さな手に綺麗なハンカチを巻いてやるとその手を少年はじっと見つめていた
『よいしょ…ところでえらく急いでいたみたいだけど大丈夫なのかい？』
「……」
少年の隣に座りそう言うがどうやら急いでどこかに行く気配はない
何も言わない少年を今度は少し真剣に観察してみる
『(大きすぎる服に靴…どうやら服の下にも傷がありそうな感じ)君…孤児かい？』
「ｷｯ！」
鋭い瞳で睨まれたが…
『ははは…折角怖い顔してもこの前髪では残念怖さ半減だ。こうするとほら…』
流れるように少年の前髪をかき上げたするとそこには不満そうにこちらを鋭く睨む二つの瞳…
『ん？おや君…』
「なんですか？」
不満そうにいって少年は私の手を強く跳ね除けた
私は両手を上げ降参のポーズをとる
「もういいですか？」
『あ、そうだね。…少年』
立ち去ろうとする少年に声をかけると少年は振り返る
『君の名前は？私はA・A』
「…トム…リドル」
『そうか、明日もここにおいで少年』
「なんで？」
『私が君に会いたいからさ』
「変な人」
『確かに怪しいかもしれないね』
「……」
少年はニヤリと笑う私の顔をチラリと見るとすぐに踵を返して人混みへと飲まれていった
『面白い子が居たもんだ』
ソッとベンチから立ちあがり人混みを分けて薄暗い路地に入る
『明日…来てくれるかな』
ふふふと笑い私は
バチッ！
姿眩ましをした
続く
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兎凪(プロフ) - 更新頑張って〜❤️応援してます❤️ (2021年10月5日 15時) (
レス) @page49 id: b4c6408c6f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 続き気になります。更新頑張って下さい。 (2020年11月22日 0時) (レス) id: 26f37e78f0 (このIDを非表示/違反報告)
たたた - お話とっても面白いです！！！けど名前変換がほぼ機能してません！！！ (2020年11月20日 0時) (レス) id: 6bf73bd8a0 (このIDを非表示/違反報告)
由利香(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってくださいね！ (2020年11月7日 12時) (レス) id: 4865437acd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅澪 | 作成日時：2020年11月2日 1時
