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5_あなたの日課はなんですか 01 ページ41

「あーこらこら、お前はさっきもう食べただろ。これはあっちの分。ヘタは苦いからやめときな、食べない方がいい。ヌメラ、これはドラメシヤ用の菜っ葉だからダメだって、おい!…お前は、あれ、さっきのとは違う坊やか?もー」


大きな背中を丸めて、沢山の木の実の入った大皿から寄ってくるドラメシヤ達に、それぞれのごはんを配るキバナ。彼が今面倒を見ているらしい生まれたてのヌメラと一緒に、若干たかられながら頑張っている。一回ごはんやりを手伝ってみたいと言われたままにお任せしてみたけれど、楽しめてはいるようでよかった。

不思議な人だ。彼と知り合ってから、それなりに短くない時間が過ぎたと思う。あまり人と触れ合ってこなかった私にとって、彼の話す世界は、夢中になるには十分な広さと眩しさだった。

このあたりで助けた人々が誰一人知らなかった自分の言葉を解せるのは、大学というところで歴史や文化を勉強していたかららしい。今ではポケモントレーナーの中でも教育の立場に当たる人で、兼、この地方で一番強いトレーナーになれるよう日々努力しているらしい。

初日に彼と一緒に此処を訪れた目上の同僚以外にも、何人か同じ役職の人たちがいて、それぞれがそれぞれの街を守っているのだという。彼が話す沢山の人の営みと情景が他にいくつもあるのがにわかには信じられないけれど、せいぜい塔とその周辺しか世界を知らない私を大いに夢想させた。

そんなキバナは、話した内容の通り忙しそうな生活の合間を縫って、未だにこの塔を訪ねてくる。彼の街のものだという食べ物や小さな贈り物を持って。塔の中には何処にもないそれらに、私とドラパルトは興味津々だった。そして表情をくるくると変えながら、沢山のおはなしをしてくれる。にぱっと破顔したり、鷹揚に微笑んだり、話以上にそれが気になってしまうことも最近はあったりする。彼のパートナーであるフライゴンも、彼と同じように穏やかに笑いながら、よくドラメシヤ達にかまってくれる。


キバナがポケモントレーナーだと聞いた時、私とドラパルトの間で長いこと結論が出せていなかった、ドラメシヤ達の行く先を相談できるのではないか、と考えた。手紙伝手に聞いてみれば、早速彼の仲間たちと一緒に、街でも居場所ができないか考えてくれているらしい。卵から生まれて間もないこの子たちにとって、野生ポケモンのひしめく野原に追いやることはとてもできないから、感謝しかない。

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設定タグ:キバナ , ポケモン剣盾 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:aks | 作者ホームページ:http://alterego.ifdef.jp/  
作成日時:2022年10月1日 21時

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