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「兄が何時も楽しそうに、太宰幹部の話をしております」
兄が楽しそうで私は嬉しいです、と、
彼女は私に笑顔でそう言った。
ああ……なんだか、
私がマフィアに在ることを忘れてしまいそうな、
つい先程まで人を殺めていたことを忘れてしまいそうな、
彼女の笑顔はそれほどに�猝宜き瓩世辰拭�
「おや太宰、ボーッとしておるが平気かえ？」
「…いや、何もない。私こそ織田作にはいつも世話になってるよ。」
仕事で、プライベートで、様々な女性を見てきたけれど、
彼女のような純粋無垢な女性は珍しく感じるほど私の周りには居なかった。
「そういえばつい先日、兄が太宰幹部と…『来てたのかよA』」
彼女が何かを言いかけた時、彼女らの後ろから現れた者に遮られた。
「わっ…！もう中也さん、重たい…！」
「中也、任務は終わったのかえ？」
「ああ、これから報告へ……って太宰、なんで手前がいんだよ」
蛞蝓(中原中也)が突然現れ会話を遮った挙句、
彼女の肩に手を回し、私を見るなり仏頂面を向けてきた。
「中也…彼女が君より小柄だからと言って見栄を張るんじゃないよ、カッコ悪い」
「あ゛ぁ？？別に見栄なんか張ってねェよクソ太宰！」
「2人は相変わらずよのう……してA、そろそろ行くかえ」
「はい紅葉さん。…ではお2人とも、失礼します」
彼女は中也の腕を肩から下ろすと、
先に進む姐さんを追いかけるように去っていった。
「で、中也はなんで彼女を知っているのかい？」
「…ああ、姐さんの任務の手伝いやらで時々来てっからな」
紅葉さんの直麾部隊の中也は、
彼女と関わる機会が幾度とあったのだろう。……狡い。
「………ちびっこマフィアの癖に！！」
「ああ？何がだよ！」
「はあ…やだやだ。君と話している時間はないのだよ」
「そりゃあ、こっちのセリフだぁ！」
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作者名：ぬん | 作成日時：2023年10月1日 0時
