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「…Aさん」

「はい」

「顔が赤いですけど大丈夫ですか」

「え、?」




思わぬ指摘に驚き手を頬に添えてみれば、信じられないくらいの熱を持っていることに気がつく。

冬の夜の外。かじかむはずの指先までがぽかぽかと暖かい。いや、熱い。


…もしや照れてるのか、私。いや、私はそんなに滅多に照れることがない。照れと怒りの感情はお母さんのお腹の中に置いてきたって、ずっと思ってきたじゃないか。

そんな私が、しかも恋愛初心者の影山くん相手に。




「熱あるんじゃないですか」

「ひっ…!?」




スッと伸びてきた彼の手は私の頬に添えられる。

ハグや手を繋ぐのは一応したことがあるけど、こうして影山くんのほうから一方的に触れられるのは初めてで、なんだか心がむず痒くなって。

肝心の彼は本気で体調面を心配しているようだけど。




「…?もっと赤くなってます」

「〜〜〜〜っ」




違う。恋愛初心者の影山くん相手に、なんて言ったけど、影山くん『だからこそ』だ。

私のことを心の底から好きでいてくれる、そんな彼だからこそ私の胸の鼓動も早くなる。





「……っ好き」





「え?」

「は?」




そこに一瞬の沈黙が流れた。

「好き…?」と私の発言を復唱した影山くんの顔は、みるみると赤くなっていく。そして自分では見えないが、それはきっと私も同じだ。




「Aさ」
「もう…もう帰ろう!夜遅いから危ないし!」

「いや、今」
「影山くん!帰るよってば!」


「Aさん!!」




動揺で震える声を絞り出し、バッと立ち上がる私の腕を逃がさないといったようにガッと掴んでくる。

そしてまだ座ったままの影山くんは、真っ赤な顔で私を見上げて睨んできた。




「…今の聞いて、そんなすぐ帰れるわけねえだろ」

「…ねえ、離し、」

「ちゃんと言ってくれるまで離しません」

「………っ」



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ゆり(プロフ) - すっごい好きなお話しです!続き楽しみにしてます! (2023年3月14日 21時) (レス) @page47 id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - すっごい好きすっごいなんかもう好き(語彙力とは)、、、最初からここまで一気読みさせていただきました!1話1話の内容がとても面白くて、もっと読みたい!って思えました!!!!! (2022年1月27日 2時) (レス) @page47 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
まじま。(プロフ) - このままここで続けて欲しいですうう、、。ほんとにこの作品すごく好きです応援してます!!!!! (2021年3月23日 11時) (レス) id: 605f4aa0b2 (このIDを非表示/違反報告)
のろ(プロフ) - あわわわわわー!オチが上手くいかない感じがすごい好きです。応援してますー!! (2021年3月16日 22時) (レス) id: 0a1b5d200f (このIDを非表示/違反報告)
ik13ttm(プロフ) - わああああああああああああああついに!!正真正銘の両思いになりましたね!おめでとう!!!もうこの話好きすぎてまだ全然完結しないっていうお知らせめちゃくちゃ嬉しいです…(つД`)ノ (2021年3月16日 15時) (レス) id: a5a5b9bef4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みずかわ | 作成日時:2021年1月18日 0時

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