押せば成る【影山飛雄】

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月島視点
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縁下「俺たちがなんとかフォローしとくんで大丈夫ですよ、七海さん」

「本当？そーね、このまま私がいても逆効果だろうしもう行こうかな。じゃ、先体育館行っとくね」

田中「俺たちもすぐ行きますんで！！」

「はいはーい」



意気消沈した影山の肩を抱きながら「おまかせあれ！」と言う2年の先輩たち。

七海さんも安心したように、手を振り出て行った。


頼りなくがっくりしている影山を見て、なんか驚きとか切なさよりおもしろさのほうが込み上げる。

こいつ、この数日間でいろんな表情見せすぎでしょ。



「ふっふっふ…だが影山、聞いたか？」



抜け殻のような影山の横で怪しげな笑みを浮かべながら、顔をグッと近づけ声を小さくする田中さん。

…嫌な予感しかしないけど。



田中「度合は考えようね、って言ってたろ」

影山「…うす」

田中「お前、この数日間の猛烈なアピール、一度でも『やめろ』って言われたか？」

影山「やめろ…？とは、言われてないッス」

田中「だろ！俺らも潔子さんに言われたことない！」



つまり！！と大きく宣言するように声を張り上げる田中さんを、縁下さんや成田さん、木下さんも苦笑いで見つめている。



田中「度合を考えさえすりゃ、"いい"んだよ」

影山「いい…？」

田中「アピールするなとは言われてねーだろ！確かにお前はやりすぎたけど、線引きしながらならいけんだよ！待ってんだ、Aさんは！」

月島「待ってはないと思いますけど」

田中「つれないこと言うな月島！！」



なんともポジティブシンキングすぎて頭にお花がさいてしまいそうだ。だけど、単純な影山なら、多分…



影山「……諦めねえ」

西谷「だははは燃えた！！燃えたぞ龍！！」

田中「そうだ影山！押せ！押すんだ！」

影山「うす！」




田中「押して押して押して、押しまくるんだよ。
為せば成る、ならぬ………『押せば成る！』」

西谷「いっぽぉーーーん！！！」



単細胞な田中さんらしいと言えばらしい考えだ。

そしてそれに納得する影山も単細胞。


…そんでこの2人、アドバイスするとみせかけて、ちょっとだけおもしろがってるでしょ。

あ、あと…




縁下「度合は考えながら、ね。ははは」




実は、この人も。


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