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STAGE 23 ページ25

ルルーシュが三人分のロールキャベツを持って、厨房から出てきた。
ルルーシュが料理を出すのなんか、何百回とみてきたことなのに。
何故だか今日は、ルルーシュがかつての母親の様に見えた。

「どうした?そんなに見つめられたって何にも……」

あの人が現れるずっと前。
父も生きていて、家庭が円満だった頃。
優しかった母の面影が、ルルーシュには確かにあった。

「A」

ルルーシュに抱きしめられて、我に返る。
今私が触れているのは、紛れもないルルーシュで、あの頃の時間などもう返って来ないと。

「……うん。……ごめん。大丈夫」

テーブルに並んだロールキャベツの匂いが、余計にこの場を悲しげにさせた。
喧嘩などしていないのに、ロールキャベツが並んでいる食卓なんて。
そんなこと、十数年ぶりに違いないのに。

「本当に?」

ルルーシュの不安げな瞳に、私は弱い。
ルルーシュのこの目には、一度も勝てた試しがない。

「本当に。……ふあっ」

私の脇腹を通って、ルルーシュの背中で止まったのは、スザクの両腕だった。
前にも後ろにも人の体温があると、なんだかくすぐったくて、温かい。
ルルーシュにもスザクにも抱きしめられている形になった私に、抵抗する術は無かった。
もっとも、抵抗する気など全くないのだが。

「Aの定位置は僕たちの間だろう?ルルーシュ」
「……ああ、そうだな」

ルルーシュがどんな顔をしていたかは分からない。
けれどルルーシュの声色は、とても優しくて、温かくて、心地よかった。

 ルルーシュのロールキャベツは、とにかく絶品である。
私が食べたことのあるルルーシュの料理の中で、私はロールキャベツが一番好き。
綺麗に巻かれたキャベツと、ナナリーが好きなちょっと濃い味のスープ。
ルルーシュらしさが全部表れる、そういう料理だと思う。

「そんなに美味しいか?」

ルルーシュが笑いながら、聞いてきた。
私の顔が緩みきっていたらしい。

「ロールキャベツは特別に美味しいんだよ。だってルルーシュに作られる為の料理だからね」

恥ずかしげも無く、そんなことが言えてしまうのは。
きっとこの一瞬だけでも、家のことを忘れていたからかもしれない。

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- 素敵な作品をありがとうございます (6月26日 11時) (レス) @page28 id: 04e95ce732 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 完結おめでとうございます(≧∀≦)面白かったです(≧∀≦)ヒロインを庇うルルーシュ、かっこよかったです!最後はハッピーエンドで良かったです(≧∀≦)これからも、頑張って下さい(≧∀≦) (2018年5月6日 0時) (レス) id: 5050a4539b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:MIORINE | 作成日時:2018年3月16日 15時

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