検索窓
今日:2 hit、昨日:15 hit、合計:38,819 hit

STAGE 21 ページ23

海へ行こうと誘ってきたのは、滅多なことでは外に出ない筈のルルーシュだった。
八月の、この強い日差しの中、どういう了見か、と思ったが。
私の置かれている状況を考えれば、ルルーシュの行動には合点がいった。

「……まさか、同居とはな」

あの人と母が同居を始めたのだ。
つまり、私の居住スペースに、あの人が踏み入ってきたということである。

「ママは私のこと嫌いだから仕方ないよ」

いよいよあの家には、私の居る場所が無くなってしまう。
自分の家に、自分の居場所を見いだせない、なんて。
そんなことあるのだろうか。
本来ならそんなこと、あり得ないのだろうけれど。

「小母さんに確かめてもないのに、嫌いと決めつけるのはよくないよ」

ルルーシュが私の肩を抱き寄せ、ふわふわと頭を撫でる。
ルルーシュの隣にさえ居られれば、それでいい。
それでいいからこそ、あの家に居場所がないのは、困るのだ。
それでは、ロロやナナリーから、ルルーシュを奪ってしまう。
ルルーシュは私の恋人であり、ロロとナナリーの兄なのだ。
もとより、あの家には私の居場所など無かったのかもしれないが。

「…………海」

バスの車窓から見える海は、キラキラと輝いて、眩しかった。

 バスを降りると、潮風が吹いてきて、私の髪を攫う。
私が歩き出すと、ルルーシュがその歩幅に合わせて、隣を歩いてくれた。

「ルルーシュってさ、スザクに似てきたよね」

出来る限り、どうでも良い話をした。
結論を必要としない、延々と互いに互いの考えを述べるだけで良い話を。

「どこが?俺はスザクほど直情的じゃないよ」

あの家のことを何も考えなくていい、悲しくない話を。

「自分の気持ちを表すのが下手くそなところが似てる」
「そういうAは、何でも自分のせいにしようとするところが、スザクに似てきたよ」

ルルーシュが笑うと、私も笑える。
私が笑うと、ルルーシュも笑ってくれる。

「私達、やっぱりいろんなところが似てるよね」
「そうだな」

互いに互いが居なければ、私達は生きていけないのだ。
代替品などない。
互いが互いに必要な、唯一無二のパーツなのだ。

STAGE 22→←STAGE 20


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

ラッキーアルファベット

X

ラッキー方角

西 - この方角に福があるはずです

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした!


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
48人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- 素敵な作品をありがとうございます (6月26日 11時) (レス) @page28 id: 04e95ce732 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 完結おめでとうございます(≧∀≦)面白かったです(≧∀≦)ヒロインを庇うルルーシュ、かっこよかったです!最後はハッピーエンドで良かったです(≧∀≦)これからも、頑張って下さい(≧∀≦) (2018年5月6日 0時) (レス) id: 5050a4539b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:MIORINE | 作成日時:2018年3月16日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。