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STAGE 12 ページ14

*SIDE:Rolo*

 家に帰ったら、隣の家の子、Aちゃんが居て、餃子を包んでいた。
帰って来る時に見かけたあの白い車は、いつもいる、Aちゃんのお母さんの恋人の。
どんな奴かは見たことないけど、そいつがAちゃんを傷つけているのには違いなかった。
僕と双子の妹、ナナリーにとっては、実姉の様な存在だ。
気に掛けないわけが無かった。

「おかえり、ロロ、ナナリー」

もしも自分の家に居るのに嫌気がさして、Aちゃんがこの家に来てくれたら。
Aちゃんは兄さんと結婚するのだろうか。
そうしたら、Aちゃんはもう二度と、傷つかないのだろうか。

「Aちゃんが居るなら僕もやろうかなあ」
「ロロばっかり狡い!私もお手伝いしますわ、Aさん」

Aちゃんが居る、ということは、隣の家の中は情事かもしれないということだ。
聞きたくもない母親の女の声とか、知らない男の威勢のいい接吻の音とか。
もし兄さんが気づかなかったら、どうなっていたんだろう。
Aちゃんは今頃、どうしていただろう。

「俺の時はやらない癖に。……全く、Aは人気者だな」

優しく笑う兄さんは、きっとこの世の誰よりもAちゃんのことが好きだ。
ナナリーにはバレてしまったが、僕の初恋の相手はAちゃんだ。
兄さんには言っていない。
僕とナナリーのことばかりで、自分のことなんか後回しだった兄さんには、色恋くらい。
そう思ってはいるが、やっぱりAちゃんのことが僕は好きで。
僕は堪らなく、僕のことが嫌いだ。
自分のことしか頭にない、自己愛に満ちた僕のことが。

 Aちゃんと僕とナナリーで包んだ餃子は、いつにもまして美味しい気がした。
タネを作ったのも焼いたのも兄さんだから、兄さんの味には違いないのだけれど。
Aちゃんの手が触れた、ということが重要なのだ。
この家でAちゃんを嫌いな人なんて、誰一人としていないのだから。

「美味しい」

Aちゃんがあまり笑わなくなったのは、いつからだろう。
Aちゃんが我慢するようになったのは、いつからだろう。
全部あの白い車が運んできたような気がして、僕はあの車ごと、お母さんの恋人が許せなかった。
あの家の中は、どうなっているのか。
僕は気になって、仕方が無かった。

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- 素敵な作品をありがとうございます (6月26日 11時) (レス) @page28 id: 04e95ce732 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 完結おめでとうございます(≧∀≦)面白かったです(≧∀≦)ヒロインを庇うルルーシュ、かっこよかったです!最後はハッピーエンドで良かったです(≧∀≦)これからも、頑張って下さい(≧∀≦) (2018年5月6日 0時) (レス) id: 5050a4539b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:MIORINE | 作成日時:2018年3月16日 15時

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