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そうして、カカシ、オビト、Aの3人が過去と向き合う頃
バックヤードでは、大蛇丸は壁にもたれかかり、紫煙を燻らせつつ、水月が酒の在庫確認をする様子をぼんやり眺めていた。
「いーんですか？大蛇丸さん。」
「何が、かしら？」
沈黙の中、在庫の酒瓶を手にした水月が唐突に大蛇丸に投げかけた質問に、大蛇丸は落ち着いた声でそう答えた。
「何がって……店っスよー。閉めてまであの人たちに好きに使わせて。」
「そぉねぇ……まぁでも……あの子達には必要な時間よ。私がこの酒場をやっていくまでに要した時間よりも……あの子達にはもっと時間が必要なの。深い闇を抱えるあの子達には……ね。」
「深い闇って……さっきあの綺麗な無表情姉ちゃんが言ってた、スティなんとかって奴の事っすか？つーか、その、スティなんとかってのは何なんっすか。」
「スティグマよ、ちゃんと覚えておきなさい。そしてあんたはニュースの一つも見ないのかしら？まぁいいけど……そうね、簡単に言えば彼等はスティグマ事件の被害者遺族……ってとこかしらね。」
呆れながらもそう話し出した大蛇丸に、水月は手にしていた酒瓶を元の場所に戻して身体ごと視線を大蛇丸に向けた。
「事件？え、つまりじゃあ、さっきの生き残りって……」
「えぇ、Aはね……両親を殺されたのよ。それも、彼女が見ている目の前で。スティグマ事件のスティグマが指すのは……無情な連続殺人鬼。」
「……え……」
「そして、はたけカカシ、うちはオビト。彼等の大切な人もその殺人鬼に命を奪われたの。」
「じゃあ、カカシさんとオビトさんがここに来ていつも話してるのって……。」
「そ、警察内でも未解決事件の部類にいれられ、何故か半ば強引に捜査を打ち切られたスティグマ事件をあの子達はずっと追ってるの……殺された、大切な人達のために……。」
紫煙の上がっていく先をみつつ、目を細めた大蛇丸はある男の顔を思い浮かべて苦い顔をした。
真っ直ぐで、純粋で
誰にでも分け隔てなく優しく
正義感に満ち溢れた男の優しい笑顔
「世の中って……ホント……不条理な事ばかりよね。」
愁いを帯びた大蛇丸の言葉に水月は首を傾げつつ、余計なことを言ってこの恐ろしくも謎の多いオーナーの機嫌を損ねては自分に都合が悪いだけだと悟り、再び在庫の確認作業へと戻った。
次回から過去編挟みます！
亀更新ですみません。泣
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テン(プロフ) - 星猫さん» 星猫さん嬉しいコメントありがとうございます(*^^*)更新が停滞していて申し訳ありません。今後も楽しんで貰えると光栄です♪ (2021年9月27日 21時) (
レス) id: 7837fbad55 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして！とっても素敵ですね！高評価しました！ (2021年9月10日 23時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：テン | 作成日時：2021年4月20日 0時
