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「ごめん俺、コイツと組むの無理そう……アスマ、代わってよ。」
「いやいや!カカシ、なかなかどーして……最高だっ!」
親指を立てて言うアスマを横目で睨みつけ、カカシはきょとんとした顔のままで居るAを見下ろした。
「……千住A。」
「はい。」
「俺はあんたが……嫌いだ。」
カカシがハッキリとそう伝えればAは目を丸くして、徐に頭を下げると想定外の言葉投げ返す。
「ありがとうございます。」
「は?駄目だ……会話が……成立しない。」
言いながらカカシはじろりと上司のミナトに目を向けるも、視線を受けたミナトはニコニコと微笑むばかり。
一人楽しそうに様子を見守るアスマを除いて、カオスな状態はミナトの机上の電話が鳴った事で終わりを告げた。
「はい……はい、分かりました。直ぐに向かわせます。」
ワンコールで受話器を上げたミナトの表情が緊張感を帯びれば、先程までの穏やかな空気は消え去る。
「S区T市の河川敷でご遺体が上がったって。取り敢えず、カカシ、Aちゃんの二人は現場に。アスマとイタチは、周辺から当たってくれる?」
「「了解」」
アスマとカカシが声を揃えて答え、カカシはAを振り返った。
「運転は?」
「死にたいのであれば……します。」
「いい、聞いた俺が馬鹿だった。遅れたら置いていく。俺はミナトさんみたいに優しくないからね?それでもいいなら……ま、付いて来て。」
「はい。」
淡白な返事を返し、さっさと出て行くカカシの後ろをAが小走りで追いかけた。
「良かった!二人、うまくやっていけそうだねっ!」
「何処がですか?」
カカシとAを見送って爽やかな笑顔で言ったミナトに怪訝な顔でイタチが答えれば、煙草を咥えたアスマがイタチの肩に手を回し面白そうに笑う。
「いーじゃねーか!お陰さんで当分、楽しめそうだ。んじゃ、俺らも出てきますね。」
「ん!気を付けてね。」
「はい、ミナトさん?分かってると思いますが……」
部屋を出る手前で立ち止まったイタチにミナトは困り顔で頬を掻いた。
「はいはい、コーヒーメーカーには絶対触れません。」
「お願いします。」
フッと微笑んからアスマを追っていくイタチを見送れば、その場は一気に静けさを取り戻した。
「カカシ……Aちゃんを頼むよ。」
真面目な顔で呟いたミナトの手にはAに関しての調書が握られていた。
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テン(プロフ) - ハルさん» ハルさんいつもいつも本当にありがとうございます!もー!ハルさんに誉めてもらえたらそれだけでやる気でます!(>_<)更新ゆっくりめで申し訳ありませんが、ハルさんの作品と言葉を活力になんとか頑張りますっ!苦笑 (2021年2月16日 0時) (レス) id: a5f75c2f95 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - テンさん…どうしたらこんな素晴らしいお話が思いつくんですか( ; ; )続きが気になって仕方ありません!!もう一つの作品もそうだし、やっぱりテンさんの書くお話大好きですー( ; ; )中々忙しいかと思いますが、頑張ってくださいね!!応援してます♪ (2021年2月15日 8時) (レス) id: 8c65bc0e51 (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - ハルさん» いや……もう……ハルさんの語彙力を私に分けてください!(T-T)取り敢えず、少しずつでも更新出来るように頑張ります(*^^*) (2021年1月23日 1時) (レス) id: a5f75c2f95 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - テンさん、新作おめでとうございます!相変わらずの文才で惚れ惚れしてしまいます…お話の続きもとっても気になります(*^^*)続き、楽しみにしてますね〜!! (2021年1月22日 7時) (レス) id: 8c65bc0e51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テン | 作成日時:2021年1月21日 22時