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「彼女、アスマさんが潰れてからもカカシさんとずっと飲み続けてましたよ。」
「……そーかよ。仲良く酒豪コンビってか……良かったなカカシ!!」
些か濃いめに入れられたイタチの珈琲はアスマの酔い覚まし用。
その珈琲を一口口に含んだアスマはうんざりしたようにカカシに毒を吐いた。
「自分がAに潰されたからってこっちに八つ当たりすんのやめてちょうだいよ。」
そんなアスマをじろりと一睨みしたカカシは、未だ状況が把握できないでいるAに視線を向けた。
昨晩、ミナトの急な歓迎会の提案に酷く嫌そうな顔をしたAを見た時は、てっきり酒に弱いからかと思っていたカカシだったのだが、蓋を開けてみればその逆で、注がれた酒を顔色一つ変えずに水を飲むかのように飲み続けるAを見る事になった。
途中、主催者の癖に妻子が待って居るから先に帰ると言い出したミナトにその場の後を任されたカカシは、酔っぱらって管を巻くアスマをイタチに押し付け、Aと酒を飲み続けた。
カカシと二人で酒を酌み交わす中でAは、『顔色一つ変えずに飲み続けるのは女子としてどうなのだ、可愛げのない!』と以前他の部署での飲みの席で言われたらしく、その時と同じようにミナト班の面子を酒の席で不快にさせるのが嫌だから参加したくなかったのだと静かに話した。
だが、そう考えた事も失礼だったとAは続けた。
ミナトやアスマ、イタチ……そしてカカシの事も、今まで関わってきた他の人達とはどこか違うとAは言った。
『ま、俺達もそれぞれ厄介者だからね』
空中を眺めながらそうぼやいたカカシの声にAはどういう事だと問いたがそれはまた今度話すと流しておいた。
何はともあれ、昨晩はそういった経緯があって今に至る
「ったく……朝っぱらからだらしないわね!ほら、買って来たわよ!!」
イタチの珈琲を喉に流し込んでも、未だチェアーにぐでっと身体を預けていたアスマの元に酔い覚ましのドリンク剤を片手にやってきたのは、アスマの彼女にして特別機動捜査隊の一員でもある夕日紅だ。
「おーーやっときた。」
「はぁ?こっちは、夜勤明けなのよ?!たかだか二日酔いの分際で使いっ走りにしないで貰えるかしら?」
鬼のような剣幕で高めのヒールをカツカツと鳴らしてアスマの鼻先にドリンク剤を突き付けた紅に気圧され、「わ、悪かった。」とアスマは素直に謝罪の言葉を口にした。
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テン(プロフ) - ハルさん» ハルさんいつもいつも本当にありがとうございます!もー!ハルさんに誉めてもらえたらそれだけでやる気でます!(>_<)更新ゆっくりめで申し訳ありませんが、ハルさんの作品と言葉を活力になんとか頑張りますっ!苦笑 (2021年2月16日 0時) (レス) id: a5f75c2f95 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - テンさん…どうしたらこんな素晴らしいお話が思いつくんですか( ; ; )続きが気になって仕方ありません!!もう一つの作品もそうだし、やっぱりテンさんの書くお話大好きですー( ; ; )中々忙しいかと思いますが、頑張ってくださいね!!応援してます♪ (2021年2月15日 8時) (レス) id: 8c65bc0e51 (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - ハルさん» いや……もう……ハルさんの語彙力を私に分けてください!(T-T)取り敢えず、少しずつでも更新出来るように頑張ります(*^^*) (2021年1月23日 1時) (レス) id: a5f75c2f95 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - テンさん、新作おめでとうございます!相変わらずの文才で惚れ惚れしてしまいます…お話の続きもとっても気になります(*^^*)続き、楽しみにしてますね〜!! (2021年1月22日 7時) (レス) id: 8c65bc0e51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テン | 作成日時:2021年1月21日 22時