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「成る程。話は大体分かりました。で、どーして俺だけこの場に呼ばれたんですか?」
嫌な予感を感じつつも投げ掛けずにはいられないカカシの疑問に、ミナトはにっこり笑って、ぴょこりと人差し指を立てた。
「ん!カカシ……君には、Aちゃんが暴走しちゃわないように彼女とバディを組んで欲しいんだ!」
「……断りま」
「拒否権はないぞー?カカシ。もし、拒否したらヒルゼンの親父に頼んで問答無用で交通課に飛ばしてやるからな。あ、資料室の方がいいか?ん?」
成程……綱手がミナトと一緒にこの場に居るのはこの為かと理由を理解してしまえば、カカシの中で自然と沸いてくるのはミナトへの怒りだ。
上層部連中との繋がりも深い綱手は、現在警察内で最も権力のある猿飛ヒルゼンとも飲み仲間で、綱手が言う事は冗談にはならない。
恐らくここで命令を拒否すれば脅しでも何でもなく、カカシの移動なんぞ簡単に決めてしまうだろう。
「………波風警部?」
中々卑怯な手を使うと、ジト目でミナトを睨み付ければさすがに鈍いミナトでも目を泳がせた。
「ア、アハハー。」
「……まったく。」
結果、綱手の脅しと言う名の説得に頷く他無くなったカカシは、溜め息を溢した。
「それで?彼女はいつからうちに来るんです?」
「「明日」」
「……はあぁぁあ。」
声を揃えて言ったミナトと綱手に、大きな声で再び溜息を吐いたカカシに「ごめんねカカシ!」と再度謝るミナトは無視してカカシは無心で酒を煽った。
「そうだカカシ。Aは、親族の私が言うのもなんだが……結構、いや大分?変わってる。」
「……でしょうね。噂は良く聞きますよ。」
「そうか?でもな、喜べカカシ!Aは可愛いぞー!!」
「どうでもいいです。」
興味が無いと即答したカカシに、綱手は頬を膨らませる。
「なんだよ……可愛い女子が居れば、仕事もやる気になるだろ?」
「それは自来也さんだけでしょ。」
「アイツの話はするな!!酒が不味くなる!!」
フンっとそっぽを向いた綱手に、また喧嘩でもしたのかとカカシは苦笑した。
「ま、千住Aがどんな奴かは自分で見て判断しますよ。」
無視したことで泣き出してしまいそうなミナトのコップに酒を継ぎ足し、カカシは苦笑いを浮かべて明日への不安を酒と共に流し込んだ。
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テン(プロフ) - ハルさん» ハルさんいつもいつも本当にありがとうございます!もー!ハルさんに誉めてもらえたらそれだけでやる気でます!(>_<)更新ゆっくりめで申し訳ありませんが、ハルさんの作品と言葉を活力になんとか頑張りますっ!苦笑 (2021年2月16日 0時) (レス) id: a5f75c2f95 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - テンさん…どうしたらこんな素晴らしいお話が思いつくんですか( ; ; )続きが気になって仕方ありません!!もう一つの作品もそうだし、やっぱりテンさんの書くお話大好きですー( ; ; )中々忙しいかと思いますが、頑張ってくださいね!!応援してます♪ (2021年2月15日 8時) (レス) id: 8c65bc0e51 (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - ハルさん» いや……もう……ハルさんの語彙力を私に分けてください!(T-T)取り敢えず、少しずつでも更新出来るように頑張ります(*^^*) (2021年1月23日 1時) (レス) id: a5f75c2f95 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - テンさん、新作おめでとうございます!相変わらずの文才で惚れ惚れしてしまいます…お話の続きもとっても気になります(*^^*)続き、楽しみにしてますね〜!! (2021年1月22日 7時) (レス) id: 8c65bc0e51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テン | 作成日時:2021年1月21日 22時