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千住A
彼女は署内でちょっとした有名人だ
ある時期からパタリと鳴りを潜めている連続殺人犯
【スティグマ】
猟奇的な殺人犯が殺戮を止めたのは、その呼び名の由来にもなっている彼女を仕留め損ねたからだと言われている。
”スティグマ事件唯一の生き残り”
そんな彼女は相当な変わり者らしい
"らしい"というのは、カカシ自身がまだ彼女に会ったことがないからだ。
どういう人物か詳しくは分からないが兎に角、評判が悪い。
だがその評判の悪さと対照的に、ここ数年で彼女の関わった事件が解決しなかったことは一度も無いと聞く
毛嫌いされているのに警察官としての腕は一流
そんな彼女が、ミナトを課長として昨年新設されたばかりの特別機動捜査隊にやってくるらしい
”特別機動捜査隊”
"特別"との名の通り
他のどの課にも属さず上下の繋がりも一切無い。
一般的な刑事事件から警察内部の事件まで
ありとあらゆる分野において捜査範囲を広げ、迅速に事件を解決する為に作られた部署。
とでも言えばまだ聞こえはいいが
その実態は
所謂、”何でも屋”
体よく厄介者達を追い払うべく作った部署なのではないかと思える程に、ミナトの元に集められた連中は癖のある者ばかりだ。
実際、先日も交通課の人数が足らないとかでアイドルイベントの交通整理に駆り出されたばかりだ。
そんな部署に悪名高い千住Aまでもがやってくる。
これは十中八九……どう考えたって―
「他の課からの嫌がらせ……ですか?」
怪訝な顔で呟いたカカシに、酒を飲み干した綱手が再び手酌で酒を注ぎながら言葉を続ける。
「だろうなあ、大方Aの実力や若いミナトの出世を妬んだ上のバカな奴等が、厄介払いついでにミナトに押し付けたんだろ。お人好しのこいつが、Aを嫌がらないのも初めから織り込み済みで……な。」
「綱手さん?!貴女彼女の保護者でしょっ?!Aちゃんはいい子ですよ?!」
「ほーら、な?」
どこか可笑しそうに笑った綱手に、カカシは眩暈すら覚えるが何とか平静を保つ。
この波風ミナトにとって"イイコ"とはかなり広い範囲の人間を指す。
殺人を犯した犯人にでさえ、同情して『イイコなのに』と涙ながらにいい放つ性分だ。
まあそこがミナトの良さでもあるのだが……
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テン(プロフ) - ハルさん» ハルさんいつもいつも本当にありがとうございます!もー!ハルさんに誉めてもらえたらそれだけでやる気でます!(>_<)更新ゆっくりめで申し訳ありませんが、ハルさんの作品と言葉を活力になんとか頑張りますっ!苦笑 (2021年2月16日 0時) (レス) id: a5f75c2f95 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - テンさん…どうしたらこんな素晴らしいお話が思いつくんですか( ; ; )続きが気になって仕方ありません!!もう一つの作品もそうだし、やっぱりテンさんの書くお話大好きですー( ; ; )中々忙しいかと思いますが、頑張ってくださいね!!応援してます♪ (2021年2月15日 8時) (レス) id: 8c65bc0e51 (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - ハルさん» いや……もう……ハルさんの語彙力を私に分けてください!(T-T)取り敢えず、少しずつでも更新出来るように頑張ります(*^^*) (2021年1月23日 1時) (レス) id: a5f75c2f95 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - テンさん、新作おめでとうございます!相変わらずの文才で惚れ惚れしてしまいます…お話の続きもとっても気になります(*^^*)続き、楽しみにしてますね〜!! (2021年1月22日 7時) (レス) id: 8c65bc0e51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テン | 作成日時:2021年1月21日 22時