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解けないように強く手を繋いだ。
三、二、一の合図で、マンションから逸れていく方向に二人で駆けていく。
向かい風の音と圧、お互いの息遣いと揃っている足音。それから──
すぐに後ろから追いかけてくるような足音が聞こえた。振り返らなくとも分かる。周りに人はいなかった。どこまでも露骨な、分かりやすい追跡魔だった。
走りながら緩みそうになる手に、どちらからともなく力を込め直す。並走する黄名子とアイコンタクトを交わしながら、少しでも遠くを目指して走った。
「ぐあっ！」
しばらく走り続けたところで、後ろから悲鳴が聞こえた。
慣性を身に浴びながら振り返ると、跳ね返っていくボールが視界に入る。微かな炎をまとっていた。ボールは勢いを残したまま、サインを受け取ってくれた相手──豪炎寺さんの足元へと戻っていく。
前のめりに倒れた男の背には丸い焦げ跡のようなものが付いていた。
男が倒れてる、と認識すると同時に世界が暗くなった。数メートル先は夕焼け色を帯びたままだった。男を中心とした円形の影が、私たちの頭上を覆っていた。きっとそこだけが異質な空間だった。
明暗差を認識した瞬間、男は消えた。光となって、吸い込まれていくように上へと。弾かれたように空を見上げた。
そこにいたのは、UFOだった。
瞬きの間に消えてしまった、ほんの一瞬の姿だった。地にひれ伏されたはずの男はいない。今の光景は気のせいではない。幻覚なんかじゃない。
固まったままの私たちに、豪炎寺さんが歩み寄った。
「怪我はないか、二人とも」
「は、はい……！ ありがとうございました、豪炎寺さん」
豪炎寺さんの姿に、緊張が解けた。不規則だった呼吸が、目まぐるしさが、徐々に和らいでいく。
もう元通りの空を見上げると、高い存在感を持つマンションは先ほどよりも距離を感じた。近くはないけどかなり離れたわけでもなかった。走っていたのはおそらく一分ちょっと。あるいは少し満たないくらい。体感としては……そんな秒数には思えなかった。
「A……」
「黄名子」
もう、大丈夫。
安心感に、身体の力が抜けた。
それでも、しばらく手を繋いだままでいた。硬く結んだひものように、緩ませもせず。
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見卯＊..+*(プロフ) - 宮野冬姫さん» お返事遅れてごめんなさい🙇♀️ ヤム・ハ・メラハの件については修正を入れて姿を消していますが、そのうちまた出てくると思います。関連は薄いですが、その時は葉王に思いを馳せながら読んで頂けると嬉しいです......☺️ (2022年9月7日 20時) (
レス) id: e1b9a46973 (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - 今気づいたけど、葉王って……ﾌﾟｰｸｽｸｽ← (2022年8月24日 15時) (レス) @page24 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - もちろんイナズマイレブンシリーズについても……グヘヘ(( (2022年8月24日 15時) (レス) @page24 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - 語り合いたいですぅ！！ (2022年8月24日 15時) (レス) id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - そうだったんですか！マギを知ってるなんてメチャクチャ嬉しい！！！ (2022年8月24日 15時) (レス) id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：見卯＊..+* | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miumiu01/
作成日時：2022年7月19日 20時
