世話を焼きたくなるあの子は陰キャで引き籠りでコミュ症です ７！

引き籠りと背けられないこと ページ6

黒はあんまり好まれないと思う

地味だし、つまらない、パステルカラーに入っている色はどれも花や色鉛筆の色で、可愛らしくて
見ていて明るい気分になれると思う

ス「ここでは昔、黒のウェディングドレスを推すような広告を出していたんです。ミステリアスな魅力を〜みたいな。でも」

『世間的には、そうでは無かったと・・・』

スタッフさんが悲しそうに目を伏せる
世間に認められないと経営するのは難しい
好きが沢山ある場所の方が人が来やすい、嫌いや苦手は敬遠されがち

ス「確かに白のウェディングドレスの方が主流です。白の方も素敵だと思います。ですが黒のウェディングドレスも素敵なんです！・・・でも大丈夫です。白のウェディングドレス、よくお似合いでしたから」

『そういう、問題じゃないと思います・・・』

ス「・・・？」

『確かに白の方が素敵だと思います、それはあっています。ですが世間に合わせる事が本当に大事なことなのでしょうか？』

ス「良いんですよ、我々も理解をしたうえでＣＬＥＡＲさんに依頼をしたわけですから」

『ですけど・・・！』

ス「その事についてＣＬＥＡＲさんが思い悩む必要なんてありません。経営難になったのは我々の責任なんですから」

『・・・』



結局その日は何もできなかった
そもそもモデルの仕事として引き受けた訳で、式場の経営なんて私には知ったことじゃない

でも

一度知って関わってしまったらもう、見て見ぬふりなんてできない

『お節介なのかもしれません・・・』

夏目「うかない顔なんかして、どうしたノ？」

『なっちゃん・・・実はかくがくしかじかで』

夏目「そウ、ボク達はボク達に与えられた責務を果たすべきなんだろうけド。Aちゃんはそれは嫌なんだよネ？」

『嫌ってわけじゃないけど、もやもやする。こんなの、演者が考える事じゃないよね』

夏目「そんなことないヨ、ボクらだって考えないようにしているだけサ」

『白の方が着たくないってわけじゃない、黒の方が望まれている気がする』

我ながら変な事を言っている気がするのは分かっている
それでも

『何かしたいの、このままじゃダメな気がしてしまう。でも、何をしたらいいのか分からない』

夏目「そういうのは、本職の人に聞けばいいんじゃないかナ？」

『本職・・・？あ！』

なっちゃんにお礼を言って部屋に戻る
コール音が少しして、

泉「アンタから電話かけてくるなんて珍しいじゃん、どうしたの？」

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