世話を焼きたくなるあの子は陰キャで引き籠りでコミュ症です ６！

王様と遠い異国から ページ18

レオside

レオ「ふんふんふふん〜ふふん♪」

泉「れおくんご機嫌だねぇ、まぁ久しぶりに日本に帰るんだしそれくらい当たり前なのかな」

レオ「あ！お土産ってなににしよう？お菓子とかが良いよな！あと変な置物とか！あとはあとは・・・」

久しぶりに日本に帰ることが決まった
生憎セナはまだこっちの仕事があるらしく、一緒には帰れない

帰る日は伝えてない
突然帰って驚かせたいし、そっちの方が俺らしいだろ？

キャリーケースに収まりきらないほどの思い出とお土産
Aのお土産はありきたりのものじゃなくて特別なものを送りたい

ということで大きな本屋にやってきた
Aってどんなジャンルの本が好きなんだろう？
でもバットエンドよりハッピーエンドの方が良いよな？
あ、でもそれって人によるんじゃないのか・・・

「なにかお探しですか？」

長い事悩んでたら店員さんに声を掛けられてしまった
一応変装はしてるから大丈夫っぽいけど気を付けないと・・・

レオ「あ、あぁ、人にあげる本を探しているんですが。どういったものが良いですかね？お恥ずかしながら、こういうものに慣れていなくて・・・」

「なるほど、送るお相手は貴方にとってどのような人なのですか？」

レオ「えっと」

どのような人
考えたことはなかった
Aは俺にとって

レオ「素敵な人です、泣き虫ですぐに弱くなっちゃって、その後の笑顔が可愛くて。頑張り屋で妥協しなくて、本が好きで、友達想いで」

自分の苦手な事にもちゃんと向き合って、自分自身に優しく出来なくて、ひとつの事に集中しだしたら周りの声が全部聞こえなくなっちゃって

「その人の事が好きなんですね」

レオ「はい、凄く」

「本が好きだということなのでこんな本はいかがでしょうか？――――」

レオ「おぉ！面白そうなストーリーですね！」

「喜んでもらえて良かったです。・・・進展すると良いですね」

レオ「っ！？」

初対面の人から見てもやっぱり拗らせた片思いに見えるみたいだ

会計を済ませて店を出る

日本とは違うこの国に来たらAはどう思うのだろうか？
価値観も文化も違う、最初は戸惑うかもしれない。案外上手くいったりして？

Aの声が聞きたい

Aの体温に触れたい

Aに名前を呼んでもらいたい

Aのことを考えられなくなるくらいに忙しかったのに、もうすぐ会えると思ったら思考が止まらない

「その人の事が好きなんですね」

レオ「早く会いたい、なんて」

引き籠りと心当たり→←引き籠りと誘惑

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す