ねがてぃぶがよんじゅうろく ページ47
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別に沖田と予定入ってないし、終始土方さんが何言ってるのかわかんないし…….。
挙句の果てに業務まで変更するなんて、一体何があったのか。
……まあここまで疑問を抱いているのに、何も聞けない私も私だ。
お互い信頼しているから、何も言わないし聞かないんだと言えば聞こえは良いのだけれど。
いつだって土方さんは事情を語ろうとしない、私を頼ろうとしない。
それは私が頼りない無能だからなんだろう、それ以外ない…と決め付けるのは浅はかだろうか。
参謀が何のための存在なのかもうわからなくなった。
だからと言って、怖いから土方さんに踏み入るのをやめるなんて薄情もいいところだ。
私に彼を責める権利は無い。
家族みたいなものだと思っているのは私だけで、実の所、私だけが蚊帳の外だ。
ため息が無意識に出そうになって、やめた。
……最近ずっと私を悩ませているこの事実だが、考えても平行線なのを今更思い出した。
危ない、人前でため息なんてついたら失礼だし。
こうしていつまでも同じ事で悩んで、成長しないのはよくない……。
ネガティブな考えを無理やり脳内から追い出し、失礼します、と残して部屋を去った。
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side 無
朝霧が去った後の会議室。
彼女の自己嫌悪癖を見抜き、沖田は複雑な表情でその背中を見送っていた。
その大半が深く考えすぎなだけで、不器用な彼女を誰も否定しないということも沖田は理解している。
朝から嫌なものを見た、とでも言いたげな視線を土方に向け、部屋を去ろうとした…
……のだが。
「総悟テメーは残れ」
「どうしやした土方さん、ご飯はさっき食べたでしょう」
「認知症じゃねーよ!!……ったく」
先程までいた参謀が十分遠ざかったのを確認してから、土方は沖田を止めた。話しかけただけでこれだ、不仲もいいとこである。
いつもの様にバカなこの男に呆れて肩を落とす土方。
話が進まないため無視しなければならない、これは長年の経験でやっと学んだことだが、プライドの高い土方には難しい話だった。
咳払いをひとつ挟み話を戻す。
「…総悟、朝霧が実家と揉めてんのは知ってるだろ」
「………」
「昨日朝霧の母親が屯所を尋ねてきてな…、朝霧に縁談が来てるらしい」
「……へェ」
声色を変える2人。
母親?縁談?……朝霧に?
沖田にとっては都合の悪すぎる話だったが…、どうも違和感を抱いていた。
言語化できないそれを一旦飲み込む。
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ヤマダ電機(プロフ) - 城崎 茉孤さん» 恐縮です…嬉しいお言葉ありがとうございます…!励みになります😭 (1月6日 22時) (レス) id: 7a7cca59ad (このIDを非表示/違反報告)
城崎 茉孤(プロフ) - 好きです…、文字書きとしてはクソみたいな感想投稿しちゃって申し訳ないんですけど、超好きです…。 (1月6日 12時) (レス) @page50 id: 8e9637cb28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤマダ電機 | 作成日時:2023年12月10日 21時