ねがてぃぶがよんじゅうよん ページ45
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「え、えっと、さっき沖田が怪我したの見て、なんか急に、沖田が死んじゃったらどうしようって思っちゃって……」
「…………」
「ごめん…怒った?
我儘だしめんどくさい…よね…はは」
…なんて形の眉を下げ、朝霧は申し訳なさそうに俯いてしまった。
それを聞いてつい瞬きを繰り返した。
……
なんでィ、俺のこと大好きじゃん……。
………いやいや、ダメだ自惚れるな俺。
朝霧はこういう奴だ、素直で優しいから勘違いしそうになるが、多分本人にはとんでもない事を言っている自覚もない。
……ないのに。
胸が痛くてしょうがない、耳元に心臓が移動してしまったように鼓動が響いていた。
バカか俺は、先日猫を探しに出た時にもなった、朝霧の顔を見るだけで顔が赤くなっちまって…。
……向こうにゃ、1ミリもそんな気ねーのに。
ぎゅっと下唇を噛む。
____早くわからせなければ。
「…おうよ、ちゃんと教えてあげまさァ」
「……! よ、よかった……」
俺の言葉にぱっと表情を明るくさせる朝霧。
教えるって落語だけじゃねーけどな。
よし、と声を上げて俺は立ち上がった。
「この後暇だろィ、嫌とは言わせやせんぜ」
「えっ沖田仕事は、」
「今日は非番でィ…
隊服じゃねーんだから見りゃわかんだろ」
「ああ……確かに」
ったく、相変わらず馬鹿な奴でィ。
「おらよ、立ちやがれ」
言われるがままに立ち上がった朝霧。
何か言い出す前に、彼女の灰色の着物を掴んで外へ飛び出した。
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ヤマダ電機(プロフ) - 城崎 茉孤さん» 恐縮です…嬉しいお言葉ありがとうございます…!励みになります😭 (1月6日 22時) (レス) id: 7a7cca59ad (このIDを非表示/違反報告)
城崎 茉孤(プロフ) - 好きです…、文字書きとしてはクソみたいな感想投稿しちゃって申し訳ないんですけど、超好きです…。 (1月6日 12時) (レス) @page50 id: 8e9637cb28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤマダ電機 | 作成日時:2023年12月10日 21時