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ねがてぃぶがさんじゅうなな ページ38

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「ね、いいでしょ沖田、ちゃんと面倒見るから」


「俺ァかーちゃんか」


「……だめ?」



捨て猫を勝手に拾い、お母さんに怒られた子供みたいなことをしてる。


でもそれは、私が経験できなかった子ども時代を新たになぞっている様で、なんだか嬉しかった。


……もちろん、子猫の命を理由に自分を救うなんて最低だから、本当の理由はこの子の面倒を見てあげたいからなんだけど。


私みたいな不器用一人じゃ、わからないことも、できないこともたくさんあるだろう。


だから沖田に申し訳ないけど、猫の生活には変えられないので、ダメ元でお願いしてみる。


……が、一向に返事がない。私の顔を見たまま固まる沖田。


……な、なに、そんなに鮭の着ぐるみが面白い?



「………沖田?」


「…………」


「………えっと、もしもーし」



何度か彼の目の前で手を振ってみたり、顔を覗き込んでみたりして、ようやく気が向いたらしい。


と思ったら、そっぽを向いてしまった。



「……どーなっても知りやせんぜ」


「あれ、ちょろい」



……沖田なら、面倒くさがって” めんどくせーこたァごめんだぜ “とか言いそうなのに。


口をついて出てしまった本音に、沖田がこっちを向いて目を釣りあげた。


ひい、怖い。



「てめェ…やっぱ土方さんに報告してやる」


「う、嘘だってば、ごめん」



土方さんと同じぐらい恐ろしい表情の沖田に、つい肩が竦んでしまった。


と、またそっぽを向いて、今度は路地裏の外に歩き出す沖田。



「ったく…1回屯所戻りやすぜ」


「…? なんで?」


「猫の子守りにゃ詳しくねーんでィ、
出来そうな奴に聞くのが1番でさァ」


「たしかに……」


「……朝霧1人じゃ心配でしょーがねェ」


「…………すみません」



こんな私のわがままに付き合ってもらって、沖田には頭が上がらない。


うなだれつつ、腕にしっかりと猫を抱えて沖田の後を追った。


…………周囲の目線が痛かったけど。



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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 真選組   
作品ジャンル:ラブコメ
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ヤマダ電機(プロフ) - 城崎 茉孤さん» 恐縮です…嬉しいお言葉ありがとうございます…!励みになります😭 (1月6日 22時) (レス) id: 7a7cca59ad (このIDを非表示/違反報告)
城崎 茉孤(プロフ) - 好きです…、文字書きとしてはクソみたいな感想投稿しちゃって申し訳ないんですけど、超好きです…。 (1月6日 12時) (レス) @page50 id: 8e9637cb28 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤマダ電機 | 作成日時:2023年12月10日 21時

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