ねがてぃぶがさんじゅうよん ページ35
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猫は警戒心が強い生き物だから、なかなか人前に進んで現れることは少ない。
仮に見つけたとしても触らせてくれるとは限らないのだが____
「っお、おきた、ねこ、ねこ…！」
視界の隅を横切った黒い影に、つい胸が弾んで声が上ずってしまった。
影の正体は猫で、それを認識した瞬間思わず飛び上がって後ずさる。
無意識に声のボリュームを抑え、背後で屈んでいた沖田の服の裾を掴んだ。
「……うお、マジでいるじゃねーか」
「どっどどどうするの沖田、
触れる？触ってもいい？」
「落ち着け、はじめて女とデートした童貞みてェになってんぞ」
「芋侍を自称しながらそれ言うの辛くないの？」
「……俺ァ打たれ弱いんでィ」
「……ごめんって」
猫を見つけられた喜びで舞い上がってしまい、沖田につい強めな言葉を投げてしまった。
本人は気にしてな……、いやしてるのか……、わからないけど、けろっとしているので問題ないと思いたい。
普段なら考えて発言するのに……。
また面倒臭い思考に耽りそうになって、直ぐにそれは霧散した。
だって、猫が動いたから。
「っう、うごいた、うごいたよ沖田」
「そら生きてんだから動くだろィ」
「……逃げられないかな？」
「おう」
沖田が頷いたのを見て、私も猫の方に向き直った。
まだ心臓がバクバクしている。
そろそろと猫に近付きながら、最後に触ったのはいつだったかな、なんて思い出していた。
……今思えば昔から好きだったのだろうが、
この歳になるまで自覚がなかったのだから恐ろしい。
よくよく考えれば、私は知らないことばかりだ。
なぜ猫が好きなのか、なぜ真選組のみんなが好きなのか、何も。
気づいたら目で追っていただけ。
自分の愚かさや醜さについて考えることは多いけれど、他のことに目を向けたことなんて、ほとんどなかったように思う。
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ヤマダ電機(プロフ) - 城崎 茉孤さん» 恐縮です…嬉しいお言葉ありがとうございます…！励みになります😭 (1月6日 22時) (
レス) id: 7a7cca59ad (このIDを非表示/違反報告)
城崎 茉孤(プロフ) - 好きです…、文字書きとしてはクソみたいな感想投稿しちゃって申し訳ないんですけど、超好きです…。 (1月6日 12時) (レス) @page50 id: 8e9637cb28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヤマダ電機 | 作成日時：2023年12月10日 21時
