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ねがてぃぶがにじゅうきゅう ページ30

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……あの後、私は久々に熟睡できていたようで、揺すっても起きなかったのだそう。


だから沖田がおぶって屯所まで戻ったらしい。


そんな沖田がお怒りモードの土方さんにした言い訳が、” 朝霧が道中でドジ踏んで倒れていたから ”。


私のドジさというか、注意力の無さはよく知られていたので何とかお咎めなしになった。


気をつけろよ、と一言呆れたようなお言葉を頂いたのみだ。


あれから数週間後になって、監察の山崎君からその話を聞かされた。


みんな私がドジ踏んで倒れてても違和感を抱かないのか…。


………なんか複雑な気持ちだ。



「……そっか、私をダシにして責任から逃れたんだね、沖田は」


「やっぱりそうでしたか、沖田さんですからね、薄々おかしいとは思ってましたよ」



隣で和菓子をぽいぽいと口に放り込む山崎君。


私がさっき、武器商人との話し合いで頂いたお菓子なのに……!


……なんて恨み言を言う勇気はなくて。


減っていくお菓子と幸せそうな山崎君の顔を見ながら、黙ってお茶を啜った。



「あの人がわざわざ倒れてる隊士を拾って帰ってくるなんて、正直あり得ませんし」


「……まあ、確かに」



確かにそこは私も疑問だった、山崎君の思ってる疑問とは別の疑問。


なぜ私のことなんか心配するのか……。


大事な人だから、って教えてくれたけど、なんで大事なんだろうか。


私、自分でも自分のこと嫌いだし、大事にできないしする必要もないと思ってるけど……。


あの時は沖田の見たことない表情が衝撃的すぎて、あり得るかもなんて思ってしまった。


でも冷静に考えて相手はあの沖田だ、ドSでバカで土方さんの命を常に狙う危険人物で、……


……これ以上はやめておこう。あまり沖田の悪口を言えた立場じゃない。


湯のみの表面に張った緑に自分の顔が映る。


相変わらず下手くそな笑顔だなあ……。




私には目もくれずお菓子を頬張っていた山崎君が、ふと思い出したように、あ、なんて零した。


私も俯くのをやめ、山崎君の顔を見る。



「ところで、本当はなんでサボったんですか?
珍しいですよね、朝霧さんが寝坊とかサボりとか」


「………………」



……まずい、どう言い逃れしようか。


自分でも視線が右往左往し始めるのが分かった。


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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 真選組   
作品ジャンル:ラブコメ
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ヤマダ電機(プロフ) - 城崎 茉孤さん» 恐縮です…嬉しいお言葉ありがとうございます…!励みになります😭 (1月6日 22時) (レス) id: 7a7cca59ad (このIDを非表示/違反報告)
城崎 茉孤(プロフ) - 好きです…、文字書きとしてはクソみたいな感想投稿しちゃって申し訳ないんですけど、超好きです…。 (1月6日 12時) (レス) @page50 id: 8e9637cb28 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤマダ電機 | 作成日時:2023年12月10日 21時

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