ねがてぃぶがにじゅうろく ページ27
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「き、禁止って、」
「言葉通りの意味だぜ」
「………な、なんで……?」
またも呆れるようなため息を吐かれてしまった。
……無理もない、私の察しの悪さには色んな人がイライラしてきただろう。
これ以上何か聞いたらもっとイライラさせてしまう……、
黙って従っておこう……。
ビクビクしながら、沖田の次の言葉を待った。
_____でも沖田は呆れたような顔はしなくて。
「しょうのねーやつでィ」
一瞬息が止まって、自分でも目が大きく見開かれるのがわかる。
____そこにあった沖田の表情は柔くて暖かい、
綻ぶような微笑だった。
眩しい物を見守るかのような、優しい、ミツバさんみたいな笑い方で。
途端に空が、木々が、陽の光がより一層きらきらして見えた。
時間が止まったみたいな、感覚。
ぶわっと私の中に風が吹き込んだような。
その風の音も遠く聞こえる、私の耳の奥では沖田の声が反射して鳴り止まなかった。
それ以外が何故か聞こえない。
とにかく私の目に、耳に、五感に世界が新鮮で眩しく映ったのだ。
「次謝ったら、俺がアンタのあることないこと触れ回っちまうぜ」
………しかし沖田は沖田だった。
相変わらず思考は邪悪でドS、言い方も荒々しい。
すっ、と彼の指が私から離れるのと同時に、眩い光は普段の私の生き地獄へ変わってしまった。
さっきのまるで子供時代に戻ったみたいな時間は消え、慌てて自分の中に意識が戻ってくる。
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ヤマダ電機(プロフ) - 城崎 茉孤さん» 恐縮です…嬉しいお言葉ありがとうございます…!励みになります😭 (1月6日 22時) (レス) id: 7a7cca59ad (このIDを非表示/違反報告)
城崎 茉孤(プロフ) - 好きです…、文字書きとしてはクソみたいな感想投稿しちゃって申し訳ないんですけど、超好きです…。 (1月6日 12時) (レス) @page50 id: 8e9637cb28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤマダ電機 | 作成日時:2023年12月10日 21時