ねがてぃぶがにじゅうさん ページ24
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「お前……なーにしてんでィ」
「………私の社会的地位がかかってるの」
「んな大袈裟な」
ベンチの背もたれに背中を押し付けるように座る沖田。
彼は公園の境い目で百面相しているであろう私を見て、訝しむようにそう言った。
……大袈裟って笑い飛ばせちゃうから、凄いなあ沖田は、私と違って……。
これが人望の差なのだろうか……
………いや、沖田は人間性がアレだから人望なかったな、強さは認められてるけど。
私無能だから人のこと言えないけど。
「今失礼なこと考えたろお前」
「えっ、なんでわかるの」
「こいつ……」
「あっまちがえた…す、すみません殺さないで」
……と、なんでもないように会話しているがその実2人の距離は約10m。
傍から見れば十分不審な2人である。
一警官として目撃されたら十分やばい状況だ……堂々とサボるのもまずいけど……。
先程からぐるぐると似たような思考を続け、進展があるようでない。
同じ場所を永遠に回っているような気分だ。
「朝霧ー、いい加減観念したらどうだィ」
「観念って……何を?」
飛んできた沖田の声に首を傾げた。
すると沖田はスカーフを緩めていた手を抜き、座れとでも言いたげにぽんぽん、と自身の隣を叩く。
「悩んでる時点で本当はサボりてェって言ってんのと変わらねーんだよ、
オラ観念してお縄につきなァ」
「………そうなのかも?」
「なんで疑問形?」
と、意外とあっさり結論が出てしまった。
最優先事項に仕事が挙げられる。
…ただ、自分のしたい事とか、やりたい事を明確に自覚できたのは久しぶりな気がして、少し嬉しくなってしまった。
ちょっとぐらいいいかな、なんてらしくも無く考える。
全部沖田と睡眠不足のせいにしよう。
私は恐る恐る公園に足を踏み入れ、沖田の隣に座った。
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ヤマダ電機(プロフ) - 城崎 茉孤さん» 恐縮です…嬉しいお言葉ありがとうございます…!励みになります😭 (1月6日 22時) (レス) id: 7a7cca59ad (このIDを非表示/違反報告)
城崎 茉孤(プロフ) - 好きです…、文字書きとしてはクソみたいな感想投稿しちゃって申し訳ないんですけど、超好きです…。 (1月6日 12時) (レス) @page50 id: 8e9637cb28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤマダ電機 | 作成日時:2023年12月10日 21時