ねがてぃぶがじゅうはち ページ19
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ちらり、と横を見ると、沖田は2本目の団子に手を伸ばしていた。やっぱり男性ってよく食べるんだなあ。
もぐもぐと団子を咀嚼する彼は歳の割には幼く見えて、それでいて出っ張った喉仏がもう大人になるのだと私に教えてくる。
……と、視線に気がついたのかこっちを向く沖田。
3秒ほど視線が交わってから、私は人々の往来に視線を戻した。
そして団子をもう一口頬張る。……甘い。
「朝霧って、好きなもんとかねーんですかィ」
「え、うーん…」
ふと沖田にそんな事を聞かれ、そういえば無いなあと考える。
もちろん母親から禁止されていたのが最初だとは思うけれど、精神的に自分で自分に娯楽を与えるのが許せなかった。
隊士の皆が読んでる漫画とかゲームとか、私とは専ら縁がない。
……つまらない人間だと思われるだろうか。
それはちょっと、嫌だ。
「……そもそも、どういうものを好きって言えばいいのか」
哲学的とも言える私の問いに、沖田まで食べる手を止めて考え始めてしまった。
…と思ったのも束の間。
「じゃあ俺が決めてやりまさァ」
「……沖田に聞くんじゃなかった……」
「おう何か言ったか」
「すみません」
沖田相手にこんなこと聞いても無駄だったかもしれない。
またもや意味不明なことを言い出したので軽く受け流し、もう一口団子を口に運んだ。
………甘い。
「まー…、
朝霧が気づいてねーだけだろィ」
「……そうなのかな」
「ほら、アンタ、猫好きだろィ」
………猫?
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ヤマダ電機(プロフ) - 城崎 茉孤さん» 恐縮です…嬉しいお言葉ありがとうございます…!励みになります😭 (1月6日 22時) (レス) id: 7a7cca59ad (このIDを非表示/違反報告)
城崎 茉孤(プロフ) - 好きです…、文字書きとしてはクソみたいな感想投稿しちゃって申し訳ないんですけど、超好きです…。 (1月6日 12時) (レス) @page50 id: 8e9637cb28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤマダ電機 | 作成日時:2023年12月10日 21時